この連休は、久しぶりに母校の京都大学へ行ってきた。建築学教室の90周年の式典があったのだ。正式名称は「京都大学工学部建築学教室創立90周年記念京大建築会式典」と長いもので、めでたいことでもあるが500人ほども来られていただろうか、とにかくかなりの盛況だった。
場所は時計台の百周年記念館で、総会やシンポジウムのあと、2階の大ホールで懇親会があって、華やかな鏡割りからパーティが始まった。まだまだご健在の恩師の先生方もたくさん来ておられ、普段はめったに会えない、あるいは卒業以来かというなつかしい同窓生や先輩諸氏にもたくさん出会えて、予想以上に楽しい時間をすごすことができた。まあ、一気に記憶がタイムスリップするような経験は、そうそうできるものではない。また直接の恩師である田中喬先生や前田忠直先生にも久しぶりにご挨拶できたことは、自分にとっては何よりだった。
同期の者たちも、私などとは違いみなそうそうたる肩書きになっていて、中でも出世頭の一人である国交省のI君は、おそらくは次の事務次官だそうで、シンポジウムでは壇上の真ん中にめでたく鎮座していた。私は大学のキャンパス自体に入るのも久しぶりだったが、やはり何ともなつかしく、目に焼きつけるようにゆっくりと眺めながら歩いてきた。こういう式典は5年ごとにあるが、10年後はいよいよ大きな節目の100周年になる。さてその時にはどんな未来になっているのだろうか。
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今日から帝塚山大学の設計演習が始まった。今年の学生達はどんなか楽しみだが、多少の不安も、やはりある。まあ去年はまったく架空の敷地だったが、今回は具体的な敷地を奈良公園脇のところに決めたので、少し様子も違ってくるのではと期待している。先週末は、その敷地などを確認するために奈良まで出かけ、久しぶりに奈良公園あたりを散策してきた。ここに書こうと写真もとったのだが、なかなか余裕がない。またそのうちにアップします。
今日は朝から帝塚山大学。今期の最初の日。昨年後期に始めた「緑と空間デザイン」という講義を受けて、同じタイトルでの設計演習。今まで建築の設計はどうしても内部空間やその機能と外観のデザインなどが主となり、外部空間にはあまり関心が払われなかったと言ってよいと思う。それを緑を手がかりに外部の空間にもしっかり注目してデザインすることを目ざしたものだ。
外部空間は、まず室内から窓を通して見える景色として、内部空間のあり方にも大きく関わる。そしてまた、街並みにおける景色の構成要素として、建物の本当の外観を作り上げていく重要な要素でもあるのだ。まずは、建物の外部を「空間」として把握(意識)することができるかどうかが大きな分かれ目だろう。でもまあ昨年、時間が足りずざっとしか教えることができなかった緑に関する知識を、どんな風に彼らが生かしてくれるか、楽しみ十分、心配も半分というところ。
課題は、今実際にやっていることもあって「パン屋さんを持つ併用住宅」にした。でも肝心の仕事の方は、併設されることになったイタリアンレストランのシェフがひと月ほど黒部のホテルに修行に出かけてしまい、向こうの仕事の合間をぬってFAXと電話でしか打ち合わせできず隔靴掻痒の状態。オープンの目標期日は決まっているのになかなか進まないのは困ったことだ。
やはり師走というくらいだからか、今週もあまりじっくり事務所で仕事をする時間がとれない。昨日は、夕方から羽曳野の医院へ追加工事費の説明に出向いた。ロールカーテン類の打ち合わせもあったが、ようやくこれでわたしの仕事もほぼ終了ということになる。
ふり返ると2年にも満たない時間で、この規模からするとわたしにとってはかなり短い方だと思うが、それでも当初の予定よりはかなりの遅れが出てしまった。出来たものにご満足いただいているのはうれしいし何よりなのだが、施主にご迷惑をかけたのは確かなことでそれが心残り。
今日は夕方、予約した時間に近くのシマ歯科へ。月曜日は午前中帝塚山大学だったし、明日は朝から武庫川女子大。今期の最終日で作品の講評会だが、実はさすがに週二日出講だとあまりにきついので、申し訳ないが武庫川女子大の方は今期限りということにしてもらった。だから明日が本当の最終日となる。まあ年明けにもう一度採点に出向かねばならないが、学生に向かって話しをするのはこれが最後。これまで10年ほど通ってきたわけだから、そう思うと少し寂しい気持ちがする・・・。
先週末は、久しぶりに少しのんびりでき、今週は先週までとうって変わって淡々として仕事をする日々が続く。大学は帝塚山は休講だが、金曜日の武庫川女子大学は、課題住宅の全体平面図のエスキース提出日としてある。どんなものが出てくるか楽しみだ。
と言っても毎週見てきているのである程度予想はつくが、今年は奇をてらったようなのではない、ある意味で本格的な意欲作がいつもより多かったような気がする。まあ多かれ少なかれ、こういう時期(骨子が固まる前)には、毎年こういう期待感をすこぶる持ってしまうのは確かだが・・・。
そして毎年一つか多くて数点だが、必ずこちらをも思わずうならせるような所をもったものが出てくる。こういう経験は確かに日常的な仕事ではできない。講義でもできないだろうし、演習の醍醐味と言ってよいかもしれない。一所懸命に焚きつけたかいがあったと思う瞬間。だから最初に「楽しみ」と書いたわけで、Feeは少なく本業の設計で忙しくても、やっていきたいと思う所以です。