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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

真田山公園

今年もいよいよゴールデンウィークが始まる。今月最終の平日でもあり、銀行へ行ったらすごい人だった。今日は朝から一年に何回あるだろうというようなすばらしい陽気で、毎年こういう朝は家を出たとたん本当に「光が美しい」と感激する。

昼食に出たついでに裏の真田山公園へ散歩に寄った。ここは3段のレベルに分かれていて、事務所ビルの裏がその最下段になっている。普段は見ない上の方へ上がってみた。斜面に並ぶ大きなケヤキの列を初め、新緑があざやかで、あちこちに花も咲いている。中段にはコデマリ、ヤマブキ、ツツジ、シャガなどの花が散策道に沿って散りばめられていて、思わず携帯で写真を撮ったが送信ミスでなくなってしまったのが残念。上段に登るとサクラは終わってツツジでも最も一般的なヒラドツツジの花が色違いであちこちに。事務所へ戻るために一番下まで降りると藤棚があってフジの花がほぼ満開に房を垂らしている。赤いキリシマも見事に咲き誇っていた。

あちこち花盛りで見事ではあったが、毎年こんなにそろって咲いていたかしらと思う。コデマリはもっと早かったのではと思うし、フジはまだ少し早すぎるようにも思う。ちなみにコデマリは以前は最上段に植わっていた。なくなったのかと残念に思っていたら、新たに中段にたくさん植えられているのを発見したのは今日の収穫。仕事で作る建築模型で、コデマリの枯れ枝が、ちょうどかっこうの樹木として使えるのだ。

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あぐり西大津教室の植栽-2

写真は先日の植栽工事の前庭部分のアップ。帰る間際に撮ったもので、低い草木は土をかぶっていて、まだ雑然としている。この後で高木や中木の支柱を建てたり、土を整美して水撒きなどをしてくれたはずなので、もっときれいになっていることだろうと思う。

ただし、運搬されてきた樹は根も切られ、葉もむしられているのでまだ本当の姿ではない。数年後訪れて初めてうまくやれたかどうか本当に分かるし、充実感も得られる。まあその頃には、生き物同士だからお互いに譲り合うのか喧嘩の結果か分からないが、大抵落ち着いたことになっていてホッとする。それはただし、いいかげんにしかやれない私の力の範囲外の予定調和というべきだろう・・・自然の力に感謝。

でも、一緒に脇で見ていた施主も雰囲気が変わるもんだねと言ってくれたように、植栽をすると内部空間までが一気に変身するのは確かなことだ。もっと大きな敷地で周りにずっと植え込み、中庭などもあったりすると建築そのものが本当に見違える。これはその前後に立ち会わないと実感は不可能だろうが、それだけに空間の作り手としては最後の大仕事だ。現場での即興の部分が大きいので、立ちづくめで現場仕事につきあい疲れるのは確かだが、私にとっては仕事の醍醐味の部分になりつつある。
あぐり植栽03

合同委員会

一昨日、パンショップの改修工事はとりあえずの見積図面を作り上げ、業者への説明も終わったので一区切り。この週末は久しぶりに二日とも休日とした。

と言っても昨夜はスカウトで月一回の定例の合同委員会。わが団委員諸氏も高齢化してきており、加えて今月から、ずっと団委員長を勤めてこられたF氏がようやくバトンタッチ、新たなT氏に交代したこともあってできるだけ出るようにしている。若い人たちも何人か出てくるようになってきた。

強いリーダーシップでチームを引っ張ってきたF氏に比べると、今度のT氏は我の強い調整型とでも言うべきか。この形容では分かりにくいだろうが、実はT氏の誘いで私も団委員になったのだった。

多分いずれ近い将来には団委員長につくだろうF氏の子息は、この2月に結婚したばかりだ。ちなみに父の葬式早々に結婚式の連絡がFAXで来たときは、一瞬どういう事態か理解できず目が回るような思いがしたものだった。でもそれ以後、会議で会っても見違えるようにしっかりした感じになってきて、それは本当に不思議なくらい。驚くと同時に「人生の節目」と言われるようなことは、やはり人間の思いをはるかに超えてその人に構造的な変化を引き起こすのだと改めて感じている次第。

新建築 住宅特集 5月号

昨日、現場から帰ると東京の新建築社から封書が届いていた。中身は雑誌「新建築 住宅特集」の五月号。ここでも何度かふれた「菱屋の家」が掲載されている。

建築の専門誌ではもっとも部数が多いので、街中のちょっとした書店なら置いてあると思います。機会がありましたらぜひご覧ください。

ちなみに新建築社のページから日本語版へ入り「住宅特集」をクリックすると今は5月号の紹介ページへ飛びます。そこの「作品」で「菱屋の家」を選ぶと簡単な紹介ページが作ってあります。もちろん私の事務所のホームページにも出していますが・・・。

あぐり進学西大津教室の植栽

朝の10時すぎに西大津の現場到着。山中三方園は先に来ていて、すでにコブシを植えるための穴を掘り終わっていた。今日は年配の山ノ井さんと若い井戸君という珍しい?組み合わせのペアだった。さっそくコブシから取り掛かる。トラックの荷台を見ると予想より大きい。運搬用に縛って横倒しなので樹形は分からないが、さすが三方園と安心、歓心。前の電線をくぐるのに少し手間取り、「向き」を決め「立ち」を決めてOKを出すまでに1時間以上かかった。暖かくて、2階の部屋から見たり何度も道路の反対側へ渡って眺めたりしているうちに汗が出てきた。真直ぐな樹なので後ろの柱が重なって傾きが気になる。「立ち」が決まるまで微調整をくり返した。高木の間で育ったのだろう。下の幹が長く、2階からの眺めがちょうどよい具合。あぐり植栽02

それから午前中には中木を植え込んだ。左側は奥に見事なアセビと手前にベニトキワマンサクが2本。右側は扉脇に郵便ポストをたてるのでその裏面を隠すのにキンモクセイ。みな常緑だ。昼食後低木にとりかかり、キンモクセイの前に3本のジンチョウゲを植え、脇にマンリョウを添えた。左はアセビの手前にセンリョウとその前に3本のサルコ・コッカ。あとはアジサイ、コデマリ、ハギなどを奥の窓下に並べた。下草のグラウンドカバーには、斑入りのビンカ・マジョールにヘデラとアジュガ。アジュガは日本名は十二単(ジュウニヒトエ)と言い、独特の紫の花をつけるが、最近は輸入物が多い。今日のは花が小さくて可憐で、日本のかと聞いたらやはり輸入物だった。日本のはもっと葉が大きいとのこと。下草の配置まで確認し、2時過ぎに現場を後にした。
あぐり植栽01

植栽工事

今日は朝から帝塚山大学。最近新設された学部で今年の学生が初代の三回生。そういう事情もあってまだ設備が整備されておらず、それぞれの担当は少人数だが、3人の先生で同じ製図室を使うのでちょっとやりにくい。まあ、わいわいがやがやという感じ。アットホームではあるが・・・。

写真は大学の玄関広場にある見事な山桜。株立ちで本当に形姿がすばらしい。2階の屋外通路から撮ったので迫力に欠けてしまったが、実際は背も高くてもっとものすごいような印象。私は去年の後期から帝塚山大学に通いだしたのだが、最初から注目させられた。紅葉もとても見事だった。花咲く姿にソメイヨシノのように息苦しくなるほどの生臭さがなくて、大きくて大量の花があるのにどこか清楚な雰囲気が残る。ソメイヨシノを遊女に例えれば、こちらは腰が締まりきりっとした美女、まああまりに大きいので美丈夫とでも呼びたいくらいのものだ。
帝塚山大学玄関の山桜

さて明日は朝から大津へ出かけ、ようやく本体の工事が終わった「あぐり進学 西大津教室」という学習塾の最後の仕事・・・植栽工事。植える場所も予算もあまりないこともあって、高木は1本だけ。今回は迷ったあげくリーズナブルな価格のコブシを選んだ。

野生では山中に孤立することが多いようで、冬があけ、自分も含めてあたりにまだ新緑の葉がないうちに、真っ先に白い花をつける春のさきがけだ。それでも花は3月中旬以降で、思っていたより意外に遅いと私が知ったのはまだつい先日のことだった。

値段が高くないこともあるのだろう。コブシというと植木の山中三方園の社長はあまりいい顔をしてくれない。もうちょっと出してもらえれば、すばらしい樹がいっぱいあるのにという感じ。でも春真っ先まだこげ茶一色の山中に、孤独に開いた白い花の清楚な感じが昔から好きで、思い返すとよく植えている。さて明日はどんなことになるのでしょう。

日本橋

少し間があいてしまった。やはり店舗設計はスケジュールがタイトで、このところ残業する日々が続いている。

昨日は、久しぶりに日本橋へ。娘のノートパソコンを買いに行ったのだ。大学になれば自分のものがいるだろうから、早く見に行って適当なのを自分で選んできなさいとずっと言っていたのだが、先週ようやく買いたいと言いだしたら、実は今週の講義に必要とのことで、疲れて帰ってきたばかりのこともあって思わず怒ってしまった。気を静めてから私も多少反省し(自分の若いときはもっと気ままだったかもしれないと)、日曜に買いに行く約束をしていた次第。

ノート型は久しく持ったことがないので、検討をつけようと先に家を出た。まずは大学で買うと盗難保証がついていると言っていたので聞いてみると、どこの店でもやっていないと言われる。ある店の親切な店員が、通販だとやっているところもあるようですが、店頭売りではまずないのではないですかとのこと。そういうものかと納得するほかなかった。単にこれだけで大分時間を費やしてしまった。

しかたなくそれはあきらめることにして、拡張保証のつく店で適当なのを一緒に選んで買ったが、選択肢が多いのには辟易させられた。まあ娘と二人でデートなどめったにないので、財布のひもも多少緩みぎみ。帰ると銀色に輝くシャープな外観を見て息子が、姉貴のは自分のよりも上等じゃないのかと不平と不満に色めきたってぶつぶつ・・。彼のほうがコンピューターについては姉よりはるかに詳しいので自負もあるわけだろう。でも彼のはデスクトップなのでやっぱり性能はまだまだ上だし、どちらにせよ二人とも、今や事務所の私のよりは新しくて性能もはるかによいわけだから聞く耳など持たず。

設計演習の始まり

今日は朝から帝塚山大学。今期の最初の日。昨年後期に始めた「緑と空間デザイン」という講義を受けて、同じタイトルでの設計演習。今まで建築の設計はどうしても内部空間やその機能と外観のデザインなどが主となり、外部空間にはあまり関心が払われなかったと言ってよいと思う。それを緑を手がかりに外部の空間にもしっかり注目してデザインすることを目ざしたものだ。

外部空間は、まず室内から窓を通して見える景色として、内部空間のあり方にも大きく関わる。そしてまた、街並みにおける景色の構成要素として、建物の本当の外観を作り上げていく重要な要素でもあるのだ。まずは、建物の外部を「空間」として把握(意識)することができるかどうかが大きな分かれ目だろう。でもまあ昨年、時間が足りずざっとしか教えることができなかった緑に関する知識を、どんな風に彼らが生かしてくれるか、楽しみ十分、心配も半分というところ。

課題は、今実際にやっていることもあって「パン屋さんを持つ併用住宅」にした。でも肝心の仕事の方は、併設されることになったイタリアンレストランのシェフがひと月ほど黒部のホテルに修行に出かけてしまい、向こうの仕事の合間をぬってFAXと電話でしか打ち合わせできず隔靴掻痒の状態。オープンの目標期日は決まっているのになかなか進まないのは困ったことだ。

緑の羽根

昨日は午後、ボーイスカウトで恒例の緑の羽募金活動のボランティア。場所はいつもの森之宮駅前の交差点。今年は年少のカブスカウト隊が二手に分かれて黄色い声を上げた。
緑の羽根募金2006

ちょうど絶好の花見日和で人手がものすごく、交差点の対岸に分かれたが、連絡に行き来するのも大変。信号が変わると一斉に動きだす人の波に身を任せるしかないくらいだった。わたしは例によって裏方で、写真を撮ったり休憩用のジュースをスーパーに買いに走ったり。子どもたちは午前中も、旭区の交通安全パレードに鼓隊で応援に行っていたので、募金はいつものように緊張感の保てる1時間半ほどで切り上げた。

菱屋の家の一年点検

今日は昼から「菱屋の家」の一年点検だった。新行建設の担当者Yさんと建具屋さん二人が先に来てまずは2階へ上がり中の点検から始める。施主夫妻はともに仕事がお忙しい人たちだが、ここが出来てからそれほど外に出かけようとも思わなくなり、休みはボーっとのんびり家で過ごすことが多くなりましたと言っていただいた。テーマの一つであった「いやしの家」は、まあ何とかなったのかなとホッとした次第。

建具も玄関の大きな木製扉が少し反ってきたこと以外はほとんど大した故障もなく、考えてみれば、高気密高断熱の特性から空間ごとの仕切りが弱く、また2階はほとんどコンクリート打放しなので、確かに故障の出る部分自体が少ないのだとあらためて納得。

ここは二世帯住宅で、続いて1階のご両親の住まいに入る。こちらは、仕上もコンクリート打放しではちょっときついかなと考え、壁にはその上にしっくい塗料を塗ったが、3ヶ所ほどひび割れができていた。これはコンクリートの宿命?で、構造規準でもわずかな収縮クラックは当然生じることになっていて、構造的にはまったく問題ないが、白く塗った分確かに目立つ。だから一般には上にさらにボードを貼ってクロスで仕上げたりするのだが、せっかく高気密高断熱(外断熱)でやったからにはコンクリートの躯体を内側に露出させそのまま蓄熱体として利用しない手はないと思う。

ただ、こういう収縮クラックは施工上の責任とまでは言えず微妙な話だが、新行建設はこころよく補修を了解してくれた。2階もあったはずだが、やはり打放しではあまり気にならないのだ。

ご両親と庭へ出てちょうど満開になった四本の桜などの植木を見ながら話していると、植栽工事をやってくれた山中三方園の社長が来てくれた。まだほとんど芽が出ていない木が、サルスベリと後で植えた大きなケヤキだったが、しばらく見るなりケヤキは駄目やから植え替えますとのこと。サルスベリは大丈夫だそう。ケヤキはめったにこんなことはないのにと残念がっていた。

2階へ戻ってお茶とお菓子をいただきながらしばらく歓談。ふと窓の外を見ると庭の上空を風が巻いて見事な花吹雪。今年は根も張ってきて皆一段と大きくなり、いつか願っていたような都心の森になってくれよと心の中でつぶやいた。
(写真右側に主庭が続き、右の木はこの庭空間全体の主となるはずのムクノキ。背景の建物は隣地で、住まいは撮っている背後にある。)
菱屋の家-庭

桜が咲いた

ついに裏の公園で桜が咲いた。といってもこの写真は事務所から駅に向かう途中のもので、撮ったのも3日ほど前だ。知る人ぞ知る見事なシダレ桜だが、ヨメイヨシノより開花が早いのだろうか。京都の円山公園のはどうだったかしら。
近所の枝垂れ桜

この時点では裏のソメイヨシノはまだどれも2分か3分くらいしか咲いていなかったと思う。まず緑の葉がないまま公園に一本だけあるコブシの白い花が開き、一呼吸置いて桜に火がついた。いつもならもう少しコブシの方が早かったように思うが、今年は寒かったせいかもしれない。そういえば上の公園のハクモクレンは3月中旬には咲いていた。ハクモクレンとコブシは近縁でとくに花など見た目も近いのに、意外と開花時期が違うことを初めて知った。

また裏の公園には主のように大きくて見事なエノキがあるが、いつもならもう少し遅いように思うが、これも桜と同時に一気に芽を吹いた。今年の冬はとても寒かったから、皆ようやくの春を待ちかねていたのだろう。

石井修の建築50年展-訂正と追伸

昨日書いたことで訂正が一つ。展示図面が月ごとに変わると書いたが、リストをよく読むと半月ごとでした。

あと、追伸と書いたのは、展示期間について。公的アナウンスでは常設となっているが、一応今年の9月ごろまでを目途と考えているそう。もちろん持続的に見学者があれば延長されていくだろうし、会の途中で挨拶をされた吉野丸タ林業の上島専務も、ぜひいつまでも常設展として使っていってくださいと話されていた。
50年展-2

50年展-1

石井修の建築50年展

一昨日の夕方、前に書いた「石井修の建築50年展」のプレオープンパーティがあった。美建.設計事務所の歴代スタッフを中心に6,70名ほどが集まり、賑やかに展示会のオープンと石井先生のますますの活躍を祝った。

建物は、吉野丸夕林業という会社のショールームで、大きな木造の2階建て。その2階の一部を借りて、模型や実施設計図の製本などが展示されている。ただ模型はまあ誰が見てもそれなりに面白いと思うが、実施設計図となると実際の工事用で専門的な内容も多く、一般の人には分かりにくいかもしれない。それでも一つの建物を作り上げるのに石井先生がどれだけの労力をさいて設計図を書いてきたかということに、少しは驚きの気持ちをもってもらえるのではないかと思う。

見学者としての主要なターゲットはやはり建築デザインを志す人たちだと思うが、石井先生や美建の仕事について少しでも下調べをして知識を持って見に行けば、得られるものが格段に違うと思う。また模型はともかく設計図書というものは短時間で見れるようなものではないので、おすすめは好きな建物を一つ選んでおき、それについて全体を見るようにすることだ。全貌をつかむことができれば、ディテールについても見えるものがかなり違ってくるだろう。

ただ、製本図面は工事中はもちろん、それ以後も歴代スタッフたちが参考にかなりページを繰って見てきており、ぼろぼろになってしまっているのもある。また書いたように一度に見れる量など真剣であれば何冊もないわけで、一度に展示される作品が決まっていてそれが毎月変わっていくことになっている(模型は多分ほとんど同じだが)。

だから好きな建物を選んでとか書いたが、そのスケジュールを知らないとたいへん残念なことになってしまう。まあどこかで発表されるとは思うし、美建.設計事務所に電話をすれば教えてくれるが、わたしの手元にも資料はあるので、ここのコメントに問い合わせなど書いてもらえればお教えします。お気軽にどうぞ。