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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

聖路加病院

先週初め東京へ行ってきた。仕事の打合せで行ったのだが、施主の方の都合で日曜日だった。その日は東京駅前で泊まり翌日も祝日。東京へ行くのは一年ぶりだ。去年は昔のレーモンド時代の友人達と旧交を温め(年末には関西で毎年会っているが)、久方ぶりの東京建築行脚をした(つもり)だったが、今年は予定も決めておらず、朝の電話で連絡のとれた別の友人たちと銀座あたりをぶらぶらすることにした。

写真は銀座から歩いて見に行った聖路加病院の記念館。最近建て換わったのは知っていた。確かレーモンドの設計したチャペルがあると思って行ったのだが、残念ながら閉まっていて入れず。説明の書かれた銘板があったので読むと、最初はレーモンドたちがやっていたものの、途中でJ.V.W. バーガミニーという人に設計者が変わり、この記念館もその人のものらしい。今、写真であらためて見るとけっこう精妙なバランス感覚が感じられてなかなかいい建物だ。

こういう記念館は古い大学などでもよくあるが、これはあまり大げさではなく、住宅的なスケール感で格式ばらず上品に作られていて素直に好感がもてた。中に入れなかったのが残念だった。

でも今回の相手は建築関係ではなかったのだが、途中、築地本願寺なども見て結局二時間半ほどこちらの建築ツアーにつきあってもらった。でも歩きながら思い出話のおしゃべりはつきず、本当になつかしくて楽しい時間をすごすことができた。おつき合いどうもありがとうございました。
聖路加病院

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御座の現場

中間検査

志摩半島は御座の現場へ行ってきた。小さな別荘の新築工事で中間検査だった。最も上の写真は東側のアプローチ道路から撮ったもの。左手に水平線が見えているはずだが、露出を上げたらとんでしまって残念。デジカメだから自由になるが、海が見えるようにすると建物が黒くつぶれてしまうのだった。

すぐ上の写真は2階内部の木組。手前が寝室で奥の左側が洗面所、その右が浴室で大きな開口部が右手を正面に広がる海に開いている。手前にも寝室の大きな開口部が右にある(切れてしまった)が、そこから撮った写真がすぐ下のもの。窓枠を入れようとして後ろに引いたために写真ではあまり分からないが、実際はこの倍くらいのサイズで大きな水平線が静かに横たわっていた。本当に吸い込まれそうな景色で、気をつけていないと時々仕事を忘れそうになる。絶え間なく波の音も聞こえているが、それもなぜかそういう一瞬しか聞こえてこないのは残念だった。

一緒に行った施主は、こちらが下で打合せを重ねている間、2階でずーっとその景色を満喫しておられたようで、まあ当然だがうらやましいかぎりだった。一番下の写真は同じ寝室の西の窓の景色(木組みの写真の反対側)。沖にぼんやりと和歌山の山並みが見えている。帰る間際にとった夕景で、西日が雲間にもれて海の奥の一部が光っているのが印象的だった。もうすこし晴れていたときはさらに向こうにもう一重山並みが見えていたのだが、それは大台ケ原のあたりだろうとのことだった。
御座の海

上進式

今日はボーイスカウトの上進式。朝から北部や京都ではかなりの雨のようだったが、大阪市内は晴れたり曇ったりで、午前中の美しい木漏れ日の下で行われた。

大阪城公園のスカウト広場(団内の呼称)で朝10時に集合。わが団もここしばらく減る一方だったスカウトが久しぶりに増えて、今年はここ一年休止中だったボーイスカウト隊が復活した。五名がカブ隊から上進。カブ隊、ビーバー隊にも新たな入隊者がいた。写真の左下はボーイ隊の上進式で、誓いの言葉を唱えているところ。まだ私が団委員になる前、息子(今や真ん中で隊旗を持っている)がやはり上進のときにこういう写真を撮ってもらってとても印象的だったので、注意して各人のを撮ってあげた。

まあ文化人類学で言うイニシエーション(通過儀礼)の一種といってよいだろう。唱えたあとは右手後方に張ってもらった縄を飛び越える。成人式にはまだまだだが、昔の元服ならこの歳くらいでもあったのではなかったかしら。実際の活動内容としても、これからはリーダーの監督下ではあるが刃物や火も扱えるようになる。自分の責任も大きくなるということだ。

右下は、集合時に着ていたカブ隊の服装から、まっさらなボーイ隊の制服制帽に着替えてうれし恥ずかし状態の彼ら。数年前から世界連盟のジェンダー宣言を受けて日本でもボーイ隊に女の子が入れるようになった。ガールスカウト隊もまだあるが、やはりあまりに隊数が少ないし、リーダーも含めてオール女性で、非常に性差の厳しかった時代の名残も感じるので、女の子にとっては多分朗報だったのではないかと思う。

左上は新年度のカブ隊と新入ビーバースカウト。彼女の入隊式が右上の写真。相手がいつもの家族でなく初対面のお兄さんなので体も表情も固いが、それと表裏一体に存在するであろうまっすぐでけなげな感じに打たれる。
上進式2006

季節はずれの花

季節はずれの花

しばらく前に撮った写真。ある市役所の入口広場の植栽。もはや8月の終わりだったから、こういう色鮮やかな花は珍しい。最近よく見るようになってきた中南米あたりが原産のものだろう。種類によっては半年以上も花が咲き続けるから季節感などおかまいなしだ。でも色が華やかできれいなのは確かで、これは反論のしようがない。

やはり山野でこういうのはあまり見たくはないが、こういう大きなビルの人工的な環境や、阪急沿線などのちょっとしゃれた雰囲気の洋風の街並みなら、まあ似つかわしいか。真ん中の背の高いのは何だろうと思ったら、これは最近のものではなくて「むくげ」だった。夏の花でもう終わりだが、まだ清楚な白い花が少し残っていて、何となくほっとするような気分にしてくれた。

ちぎれ雲

今日は日曜日。ちょっとした用事があって出かけた。休日の楽な格好のままで乗り込んだ近郊電車の窓からぼんやり外を眺めていると、久しぶりに冴えわたった大きな青空に無数のちぎれ雲が浮かんでいる。見わたせば一面みごとな雲の大編隊だ。もしもずっと上空からその全貌を眺めることができたなら、さぞ雄大で華麗な景色になっていることだろうと思った。駅に着いて、ホームから携帯電話で写真を撮った。

夏の間、もくもくと勇壮に盛り上がって成長したたくさんの入道雲が、夏の終わりをむかえてちりじりになり、きっとみんなで一緒にどこかへ帰っていこうとしているのだ。ちぎれ雲