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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

BP祭2012

先日の日曜日、ボーイスカウトで団の所属する城北地区のBP祭が大阪の鶴見緑地であった。BPというのはボーイスカウトの経験がある人ならおそらく誰でも知っているベーデン・パウエルというイギリス人の名前の頭文字。BP祭とは彼を記念する催しで、2月22日の誕生日付近の週末に行われ、多分だが世界中のボーイスカウトで毎年恒例になっている行事だ。われわれのところでは団の行事でやることも多いが、今年は久しぶりに地区全体での行事になった。

私もだんだん知ってきたが、ボーイスカウトという活動を始めたのが彼。それだけではなく驚異的なのは、ほとんど今のスカウト活動全般にわたり、骨子となる輪郭やシステムを、ほとんど全て最初に作り上げてしまったということだ。毎年今頃になると、おそらくは世界中でこうして偲ばれているわけで、死後に遺した手紙にも幸せな人生だったと自分で書いておられるが、まさにそれに値するような人生だったと思う。

集合

この行事には全部で300人くらい集まったか。わたしはいつものように裏方の手伝いで、予報通り今冬一番といってもよいような冷え込みの中、久しぶりに朝六時前起床。6時半に集まった数人で荷物を積み込み、車で鶴見緑地へ。7時半に各団運営陣の現地集合だった。車が中へ入れないので道路際で降ろし、台車にゲームの機材などを積んで開催場所の原っぱまで運んだが、舗装していないところも多くてけっこう大変だった。荷物をほぼ運び終わりほっとして、広場にある池を見ると大阪市内では珍しく氷が張っている。手伝ってくれた年長のスカウトが、あとで割って持ってきてくれたが、厚さ3ミリはあったのでびっくりした。

ゲーム

さて今回は、BPを偲ぶセレモニーを全員でしたあとは、地区の各団ごとに持ち寄ったゲームをスカウトたちが自分で運営もし、交代しながら他の団のにも出向いて楽しむという趣向だった。

うちの団にはゲームとして玉入れと輪投げがあり、脇に撮影用にと、団委員長がこしらえた、BPの絵の顔の部分を切り抜いたパネルを立てた。まあ陽射しがあり、始まってからは思ったより暖かかったが、さすがに下の写真のビーバーたちなど、着こませられて思いっきり膨れているのが、とても可愛くてほほえましい。

BPのパネル

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真冬の実 2012

クロガネモチの実
先日の続き。これは大阪城公園の中のクロガネモチの赤い実。名前が縁起よいからか人気のある木で、あちこちにちらほら植わっていた。もともと暖地の木だろうが、このくらいの寒さならまったく平気よ!と言わんばかりに元気なしっかりした葉ぶりで実をつけていた。写真だけだと真冬だとはとても思えない。ちなみにいわゆる常緑樹でも、あんまり寒い年には落葉することもあるそうだ。

サンシュユの実
これは葉もなくまったく赤い実だけの姿が印象的でカメラを構えた。葉も見えないし何の木か分からなかったが、グミのような楕円形の赤い実だから帰って調べればすぐ分かるだろうと思って撮った。調べるとどうやらサンシュユの木。これぞ早春の黄色い花だが、さすがに真冬となるとまったく違う姿だ。

でもこれを書きながら考えたのは、こんなにおびただしい鮮やかな赤い実だけの姿でいるのに、鳥はどうして食べないのかということ。大阪城公園は、最近では野鳥観察のグループもたくさん来られているくらいで、この実は人間でも食べられるし、食べて種を運んでほしいがために鮮やかに実をつけているのだから、あっという間に鳥たちに食い尽くされてもしかるべきだと思うのだが・・・。まさか人間に観賞用の時間をとってくれているのだとは思えないし・・・。

センダンの実?
最後は大阪城公園を出てから、隣の難波の宮跡で撮った写真。白い実だ。樹形からするとおそらくセンダンだと思うが、幹の肌が違うような気もした。赤い実のように派手ではないが、これはこれでとても印象的な姿だった。

真冬の景色 2012

東大寺のロウバイ
最初は先週初めに仕事で奈良へ行ったとき、帰りに東大寺にたち寄り、二月堂から北西に下りる緩やかな坂道の途中で撮った写真。ほかに同じく塀越しに何本か梅の木も見たが、さすがにみんなまだ蕾だった。でもこれだけは咲いていて、何だろうと思って近寄ったのだ。早春の黄色い花はいくつか知っているが、ロウバイだった。おそらく今年初めて見た実物の花で、こんなに早く咲くのかと感心したし、寒さもあって忘れられような景色になった。

これからあとは、先週末、久しぶりに近所をウォーキングしてきて撮ってきた写真。でもさすがに他に花の写真はない。

オタフクナンテンの紅葉
一枚目は近くのマンションの植栽で、真っ赤なオタフクナンテンに陽射しがあたって見事だったので、あわててカメラをとりに戻って撮った。すでに真冬だしあたりの風景からしても、落葉樹のいわゆる紅葉とはまったく趣きが違う。同じく常緑のナンテンも寒さで葉が赤くなるが、葉が繊細なのでまだ許容範囲かもしれない。でもさすがにここまでくると「紅葉」と呼んでよいか迷うくらいのものだ。

オタフクナンテンは、初めは珍しかったが今はポピュラーになってしまい、いつもお世話になる植木の三方苑の社長なんかは、聞いてもあんまり気乗りがしないのか、もうちょっとましなのがありまっしゃろと言う顔をする。まあここは数年前に建ったばかりのマンションだが手入れもきちんとされているようで、今年もみごとに染まっている。通っている大学や近くの他のマンションなんかのだと、最初の年はみごとだったが、もはや寒くなってもこんな色にはまったくならない。やはりそれなりの手入れが必要のようだ。

コトネアスターの実
これはやはり近くの神社で見たコトネアスターの赤い実。でも実は今まで私はこれをピラカンサと思い込んでいた。調べると確かに大げさな実の付き方や風情はよく似ているそうだ。でも今回よく見ると枝にトゲもなく、何よりサクラの木につるで巻きついていたので間違いに気がついた次第。まあこれだけ見事に赤い実をつけるのは、とりあえずピラカンサしか頭に浮かばなかったので思いこんでしまったのだ。

写真はもう少しある。でも長くなったのでまた次回にでも。

土壁のすだち

あっという間にひと月以上経ってしまった。
先週は大フィルの定期公演に行ってきた。予定されていた指揮者のゲルハルト・ボッセ氏が体調不良で、急遽(きゅうきょ)音楽監督の大植(おおうえ)英次氏が代役。といってもまあパンフレットもきちんと変更されていたし、そんなに急でもなかったとは思う。そのため前半のハイドンは同じでも、後半の曲目はメンデルスゾーンだったのが、前回ここに書いたばかりのベートーベンの「英雄」に変った。まあカラヤン・ベルリンに比べるのは酷だし、生演奏だからそれなりの聞き応えはあったものの、大植流エロイカにまでなっていたかどうか。

帰りに信号を渡る雑踏の中で、誰か年配の男性が「今日のはオーケストラに振らされてはったんや」と話しているのが聞こえた。そこまで言うのは失礼だと思うが、私ももしかするとエロイカはオーケストラの方の希望で決まったんじゃないかと思ったりしていたし、選曲に多少の違和感があったのは確かだ。ただ楽器の配置が二曲とも普通と違っていたのはおもしろかった。

だが、翌々日あたりの朝刊でそのボッセ氏が逝去されたことを知ってびっくした。記事を読みながら、本当に惜しい機会を逃したものだとあらためて思った次第。ご冥福をお祈りいたします。

すだち

さて、今日の写真は今やっている仕事の現場写真。これは伝統的な建築で、いわゆる総桧(ひのき)造りで壁も本当の土壁を塗る(仕上げは漆喰(しっくい))。今まで田舎などで施工中を見たことはあっても、今の時代、まさか自分の仕事でやることになるとは、思ったこともなかったので、自分自身、興味津々(しんしん)なところがある。今週初めに壁の小舞(こまい)下地を組んでくれて、スタッフが行ったときに撮ってきてくれた写真。現場では小舞とかではなく「すだち」と呼んでいて「すだち屋」さんの施工。

図面で描いてはいたものの、着工前に棟梁(とうりょう)が「寝かせた土がうまくあったらできますがねえ・・・」とのことだったので、実現できるかどうか心配だったが、今のところ無事予定通りに進んでいる。予定では来週明けは寒さが緩むので下塗りを始めることになっているが、また冷え込むらしいのでさてどうなるだろうか。