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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

新緑の景色

新緑2012

ゴールデンウィークも間近に迫り、いよいよ一年でもっともすばらしい季節がやってきた。上は今朝のウォーキングのときに撮った写真だが、光の具合だろうか、今までに携帯電話で撮ったもので、もっとも写りがきれいな写真になったと思う。

さて今朝の天候は、毎年この時期に限って、それも味わうとなればほんの一度か二度という、一年でも本当にまれな、爽快ですばらしい快晴だった。だから家を出ると迷わず、近くの真田山公園に向けて歩き出した。この写真の場所は、ニレ科のムクノキやケヤキなど大木の落葉樹が立ち並んでいる公園の一画だが、梢(こずえ)にはまだ出たばかりの淡い新緑の若葉が透明な陽光に輝き、それらがさわやかな風に震えていて、ため息が出るくらいにすばらしい光景だった。

公園を抜けてからの街路の空間でも、美しい光が道いっぱいにみなぎっているような感じで、まぶしさに目を細めながら歩いて行った。そのまま西に進んで、高津神社まで足を延ばしてきたが、今年もこういう光あふれる日を迎えられたことに感謝をこめ、足を止めて二礼二拍、頭を下げて参拝してきた。

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大震災義捐金募金2012

東日本大震災義捐金募金2012

先週の4/15日曜日午後に、森ノ宮の交差点で行なった義捐金募金の報告。書くのが遅くなったが、ボーイスカウトで毎年この時期にやっている募金活動。いつもは緑の募金だが、去年そして今年も大震災のためのものに切り替えた。幼いビーバー隊以外は、午前中も、旭区の交通安全パレードに鼓隊として参加したので(下の写真)、終日の奉仕活動となった。スカウトや関係者の方々には本当にご苦労さまでした、と心をこめてここに記しておきます。

旭区交通安全パレード2012

当日、サクラはほとんど散りかけだったが、それでも天候がよく、大阪城公園はかなりの人出。大震災に対しては、さすがに昨年のような切迫した雰囲気はもうない。でも募金の呼びかけに対しては、やはりそれなりの反応があったと思う。まあ金額としては昨年の半分以下だったが、それでも緑の募金に比べると倍以上あった。

さっそく翌々日の火曜日に産経新聞の厚生文化事業団を訪問して、全額を寄付してきた。昨年はボーイスカウト日本連盟に送金し、最終的に日赤に寄付されたが、日赤の財布はあまりに巨大すぎて、今年は団委員会でも使途についての不安感などの指摘があって、切り替えたのだった。

まあ些少の額でしかないが、志が少しでも伝わり、そして生かされていきますように。

震災募金寄付領収書

大フィルのブルックナー

昨日の夜は、仕事を早めに切り上げてシンフォニーホールへ行ってきた。大フィルの第457回 定期演奏会。指揮は尾高忠明氏。第一部は大好きなモーツァルトで、ピアノ協奏曲の23番。ピアノは若手の新人で、萩原麻未さんという初々しい感じの女性。そして後半は一転して大曲で、ブルックナーの交響曲7番というプログラムだった。

実は仕事の電話を始まる直前までしていて、第一部モーツァルトの第一楽章は、あまり聴くような心がまえができなかった。しかも始まってすぐに携帯の電源を切るのを忘れてマナーモードでもないことに気づき、あわててそうっと少しだけ開いて電源を落とした。またコンサートマスターが変わったので、どんな感じだろうとか考えながら見ていたり、あと曲があまりにポピュラーすぎて、すぐに気分が乗っていかなかったということもあって、音楽よりも音を聴いているような感じだった。

でも第二楽章の出だし、ピアノが思いっきり情感たっぷりに始まり、そこからは素直に引き込まれていった。第三楽章もはねるような溌剌とした気分があり、ピアノも含めて演奏はなかなかよかったと思う。とくに第三楽章、これはまあまったく私の勝手な思い込みかもしれないが、ピアノの元気が伝わって尾高氏の指揮ぶりも溌剌というか、元気よすぎるのではというような部分まであって、ちょっとほほえましかった。アンコールでドビュッシーの「月の光」をやってくれた。

さて後半のブルックナー。さすがに朝比奈さんでの演奏の評判がとどろいているからか、観客はいつにも増して多く、それも男性が多かった。だからわたしも期待したが、ブルックナーとなると手元には一枚もないし(レコードで四番はあったかもしれない)、有名なわりに正直今まであまりよく分からなかった作曲家の一人だ。だからほとんど生演奏でしか聴いたことはない(残念ながら朝比奈さんのは聴く機会がなかった)。

東京にいたころは、N卿などで少なくとも四番は二回以上は聴いたろうし、7番も一回くらいはあったのではないかと思う。あとよく覚えているのは、大阪へ戻ってからだが、カラヤンとベルリン・フィルの指揮者の座を争ったというチェリビダッケ氏が、ミュンヘン・フィルを率いてやはりこのシンフォニーホールに来たのを聴いたことがあった。もう二十年くらい前のことだ。このときにやったのが、確かこのブルックナーの7番で、これ一曲だけのプログラムだったのではないかと思う。でも曲目は記憶が少し不鮮明だ。指揮振りと演奏には堪能した覚えがあるが、曲についてはやはりあまりよく分からないという印象で、それ以外の記憶はおぼろなのだ。

さて昨日の演奏に戻ろう。結論から言うと私にとってはなかなかすばらしい演奏会だった。初めてブルックナーを面白いと感じることができたから。そしてもう一度聴いてみたいと思う気持ちになった。とくに第二楽章を。

尾高氏の指揮は、よく姿が見える席だったということもあるが、とてもしなやかで、曲調からすると変な言い方かもしれないが、とても平明でいて、きめがこまかく、絹の肌触りを思わせるような印象さえあった。さらに変な表現をすると、先のチェリビダッケ氏のような演奏を、もしレーシングカーの最高峰であるF1のような猛烈な走りとすれば、昨夜の演奏は、公道を走る高性能で高級なスポーツカーの乗り心地のようだった。

まあ素人の音楽談義はこれくらいにして、あと私にとってもう一つ昨日の演奏を聴いてよかったと思うことがある。それはブルックナーを聴いて面白かったので、それならやはりワーグナーをあらためてぜひ聴いてみたいものだと思ったのだ。そこからさらに歌劇も。R・シュトラウス、プッチーニ、ヴェルディやビゼー・・・etc。でもさすがにもう機械に向かって聴きたいとはあまり思わない。まあ思い続けていれば、また機会も出てくるだろう。

ようやくの桜花

ようやくサクラが咲いた。今日あたりで近辺はどこも満開の春景色になっている。
昨日は仲間に声をかけて、近くの公園で花見をした。昨日の朝の思いつきだし、あいにく平日だから来られなかった人も多く小規模になったが、数人が午後六時半に集合。時折小雨もパラつく夜桜の下だったが、久しぶりになかなか楽しい宴になった。暗がりの空を背景にぼんやりと浮かびあがる花々を眺めながら、歓談しつつ飲んでいるとあっという間に三時間以上が経ってしまい、一升瓶が空になった。

ただ花は見事でも夜だったのが残念で、今日の昼間に再度出かけて写真を撮ってきたのでアップしておこう。

事務所の窓から

上の一枚目は出かける前に事務所の窓から撮った向いの公園のサクラ。今日はこれを見て出かけようと思ったのだった。

次の二枚目は、花見をした公園の隣にある三光神社のサクラだが、ここのがなかなかすばらしい。小さな広場のような場所の周囲に何本も植わっているのだが、注意深く施された剪定のおかげで、枝振りが本当に見事。長いのはほぼ水平に4,5メートルも伸びてきて、花が広場一面を埋めている。それも高さが低く、写真の中央に垂れ下がる花房は、私の肩より低い位置まで落ちている。香りはあまりないが、近寄れば頬に花が触れ、やさしく愛撫してくれる。でも残念ながら午後六時以降の飲酒は禁止と看板が出ていて、ここで宴をはるのはあきらめたのだった。

三光神社の桜

最後はその神社の裏にある「真田山陸軍墓地」のサクラ。私が小さいころはサクラはなかったと思うが、二十年以上前にたくさん植えられ、今ではなかなか見事な桜林になっている。遠めに見ると雲のように花が連なり、その下で数組の人たちがシートを敷いてお昼の弁当を広げていた。

真田山陸軍墓地の桜林

でも撮ったときは意識していなかったが、こうやって写真で見ると何とも言えないような風景になっている。手前にたくさん整然と並んでいるのは明治時代の戦没者の墓石たち。その海に浮かぶように咲いている満開の桜の花の下、のどかにくつろぐ現代の生者たちを、みんなで静かに見守っている。

春山ハイク

少し遅くなったが、先日の日曜日にあったカブ隊の春山ハイキングの報告。
ボーイスカウトの活動は新年度が9月に始まり、年間の計画表を作る。だから当然、これは桜満開の春の野山をイメージして企画したのだと思う。でも残念ながら今年の冬の寒さでサクラの花は大幅に遅れており、当日も雨がぱらつく肌寒い曇り空。つぼみは大きくとも、奈良公園のサクラはまだまったく咲いていなかった。

今回のコースは春日大社南部から東へ春日山を登り、頂上をうかいして東側裏手の奥山ドライブウエイに出て北上。若草山の頂上へ背後から出てくるというコース。近鉄奈良駅から歩き出した。

私には前半は歩いたことのある道だったが後半は初めてで、林道から、山焼きが終わった芝生の若草山の頂上に出たと思ったら突然、眼下に奈良盆地を一望する広大な眺望が開けたのはちょっと感動的だった。小雨がぱらついた後で、上空はまだ曇っていたが、はるか南に大和三山や二上山、さらに奥には葛城山や金剛山系まで見えている。わたしはしばらく見ほれていたが、子どもたちはすぐにあたりのシカたちの方に気をとられ、はしゃぎだしていた。

若草山ハイキング

そこからは一気に若草山を西に下り、東大寺を抜けて登大路に出て、一路近鉄奈良駅へ。

下の写真は登大路の途中、国立博物館の北側あたりにある、氷室神社の有名な枝垂れ桜。ちょうどその翌朝のテレビで紹介されているのを見て、別名「一番桜」の名があると知ったが、ここもまだ咲き始め。ただしこれはその翌日の写真だ。その日も奈良の仕事だったがその帰り、以前手がけた飛鳥園に用事ができて立ち寄り、その隣のここにも駐車のために再度訪れたので撮ったもの。前日は、話題にしながら前の道を早足で駆け抜けただけだった。

写真で見ると繊細な枝ぶりと骨格がいっそう鮮明で、実景より迫力があるくらい。京都の円山(まるやま)公園のに比べると規模は小さいが、さすがに有名なだけあって壮麗で見事な姿をしている。

でも久しぶりによく歩いた。総計18キロくらいだったと思うが、あまりきつくない登山路だし、前半の静かな山間の林道に対して、後半の広々とした景色への変化が劇的でなかなか面白く、子ども連れやデートになら、おすすめのハイキングコースだと思う。

一番桜