

今日歩いている途中で撮った写真。ウォーキングではなくて近くで用事をいくつか済ませて帰り、少し遠回りをして三光神社の境内を通ったら咲いていた花。この神社は、戦災であらかた焼けてしまって古い建物などはないようだが、通称「真田の抜け穴」というのがあり、いつしか名所の扱いを受けて、今は真田幸村の等身大の銅像まで横に立っている。伝説が本当だとすれば、大阪城まで続いていたはずだ。もちろん落城のときの逃げ道だろう。
かがんでしか入れないような小さな穴が低い石垣に開いていて、古式な意匠の厚い金属製の両開きの扉で塞がれている(これは昔の話で、今は鉄格子の扉だったかもしれない)。私が小さいころも扉はたしかあったように思う。でもほったらかし状態で、だれかがこじあけて壊したようになって開いていた。小学生の頃、一度だけ中へ入ってみたことがある。一人ではなかったと思うが、こわごわ進んでいくと5mくらいで落盤していて、「なんやこんなもんか」とかなり残念に思った記憶がある。さすがに掘ってみようとまでは思わなかった。でもそのときも、それが大阪城の抜け穴というのは聞いて知っていた。
次の思い出としては、大学を出て最初に就職した東京住まいを切り上げて帰ってきたころだろうか。バブルがはじけるのはまだ先だから、もう少し後かもしれないが、いつか浮浪者の方が住むようになって、穴の周囲にブルーシートの囲いができて中の様子は見えなくなった。まあ小さな洞窟みたいなものだから、住み心地はなかなかよかったのではなかろうか。
あと、この神社の特色として、敷地を接して西側一帯が陸軍墓地になっていることがある。明治初期からのお墓があり、西南戦争のときのものもある。ちょうど古いものが集まる一画が残されたようで、凝灰岩の墓石が多く、崩壊寸前のものもあり、保存運動が続けられている。
さて冒頭の写真。葉も少し写っているが、神社の境内だし、てっきりマキか何かと思い、針葉樹の花についてはあまり知らないし、咲いているときだけしか見られないのだから、こんな花もあったのかと、あまり不思議には思わなかった。まあ写真に撮ったのは珍しい花だと思ったからだが、帰って調べれば簡単に分かるだろうと思って、あまり詳しくは見なかった。
で、帰ってから調べてみると、こんな花をつける針葉樹などいくら探しても出てこず、とまどってしまった。一度あきらめかけてから気をとりなおして、かなり珍しい形の花だからと思い、講義でも使っている花のサイトを見てみると、ようやくあった!!
名前は見た目そのままで「ブラシの木」。ブラシといっても試験管を洗うようなやつで、やっぱり学者さんの発想だなと笑ってしまった。でも確かにその通りの形と風情。この植物は「フトモモ科」で、男性にはちょっと刺激が強すぎるような名前だが、もちろん針葉樹の種類ではなく、属するのはみな熱帯・亜熱帯の植物だ。上の名称に教えてくれたサイトへリンクを張ったが、「花槙はなまき」という別称が書いてある。でもそのサイトの写真の葉はもっと太いから、マキというのはちょっと無理のような気もする。でも冒頭の写真の葉が実際にこの花のものだとすれば、まったくうなずける。まあまた明日にでも見てみよう。
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