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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

いずみホールの大阪交響楽団

昨夜、いずみホールで大阪交響楽団の定期演奏会に行ってきた。ここはあまり大きくなく周囲の環境もよいので、機会があれば行きたいとはずっと思っていたが、かなり久しぶり。以前に行ったときからすると、もう10年近くになるかもしれない。ただ当日は名曲セレクションというタイトルだけあって、クラシックに疎い人でも一度は耳にしたことはあるだろう超有名な曲目ばかり。最初のモーツアルトのディベルティメントはともかく、あとの2曲は名実ともの名曲だった。

2曲目のメンデルスゾーンのバイオリンコンチェルトは、ソロの黒川侑君26歳の演奏が、期待以上にとてもすばらしくて面白かった。まあここは空間が狭いので、音の聞こえ方がやはりシンフォニーホールとかとはかなり違う。音に張りがあって細部がよく聴こえてくるのがとても新鮮だった。おかげで曲自体の面白さもあらためて堪能できたように思う。

最後のベートーヴェンの運命は、指揮者の佐藤俊太郎さんの感じがそれまであまりつかめなかったので、どんなものなんだろうと興味しんしんで聴いたが、終わってみるとなかなかすばらしい演奏だった。ホールのど真ん中あたりの席だったが、全体に小さいので、あんなに指揮者の後姿を大きくまじまじと見ながら聴くのは久しぶりだった。彼も前半の曲のときとは違い、要所に力動感のあるインプレッシブな指揮ぶりで、ベートーヴェンらしい迫力と広がりも感じて、自分としては十分に楽しませてもらったように思う。

演奏会が終わって外へ出てみると、来るときに激しく降っていた雨もすっかり上がっていた。空を見上げて月を探したものの視界には見えなかったが、さわやかな風が吹き、自分にとっては久しぶりの良夜であった。

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