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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

2021年末 その3

いよいよ今年最後の日となりました。まずは先日の続きで本のことを。

イザベルさんの次に印象に残るのは、村上春樹さんの「騎士団長殺し」です。久しぶりに近くの天王寺図書館に行ったときに、まだ読んでいないと分かって借りてきました。村上さんの本は久しぶりで、とても面白く、いつもそうですが一気に最後まで読んでしまいました。続きがあってもよいような内容でしたので期待はしますが、たぶん無理なんでしょうね。

さてそこから音楽のことも書いてみます。あの本のタイトルや内容の一部が、モーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」を下敷きにしているというので、CDを買ってきて久しぶりに通しで聴きました。でもそのオペラはその本に直接的な関係はなく、遠くに聴こえるわずかな反響のようなものでした。まあ作家の心の中まではもちろん分かりません。

指揮者がアーノンクール氏で、私にとっては古楽器のイメージがある人ですが、まあ面白く聴くことができました。昔に買ったレコードも持っていますが、今は聴く機器がないので物入の奥にしまったままで、指揮者や演奏者の名前なども忘れています。多分ベームのウィ―ンフィルだったでしょうか。

ちなみにいま聴いているのは、久しぶりに聴くバッハのカンタータのCDです。とても好きなCDのひとつですが、カール・リヒターのミュンヘン・バッハで、有名な147番と80番が入っています。とくに80番はフィッシャー=ディースカウがバスで、どこか懐かしい感じがします。

最後になりますが、やはり書いておかねばと思うのは、コロナのことです。後半になってようやく下火になってきたかと思っていたのに、その中で、自分にとっては初めて、よく知っている人が二人も亡くなってしまいました。二人ともわたしより10年ほどは下で、それまでは近くに関係ある人などまったくいなかったので、他人事のように思っていただけに、かなりのショックを受けました。

さらに年末になってオミクロンというのが出てきて、今や欧米ではかなりの猛威を奮っています。感染力がいままでよりかなり強いものの、多少毒性が弱いという憶測もありますが、どうなるでしょうか。来年こそはおさまって、普通の日常に戻ってきますようにと祈りながら、今年のブログを終わりたいと思います。

みなさま どうかよいお年をお迎えください

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2021年末 その2

今日は今年の読書について。

一番に書きたいと思うのは、少し古いイギリス人旅行家と言っていいと思いますが、イザベル・バード女史のこと。1878年というから明治11年、まだ維新後まもなくのときに日本に来て、日本語などほとんど分からないまま女性一人で、しかもそんなには英語を知らないと思える日本の青年ひとりを伴なって、東京から日光をかわきりに、北海道のアイヌ部落まで旅行しています。

少し前にNHKの番組で彼女のことが少し出てきていたので知っており、梅雨の時期でしたか、ブックオフで彼女の本が出ていたのを見て、読んでみようと思ったのでした。ただその時は「日本紀行」は厚い上下2冊版だったのでやめ、どんな文章を書くのか分からなかったので、脇にあった1冊の「朝鮮紀行」の方を買うことにしました。

さっそく読んでみると、ソウルを東に出て旅をする、なかなか上質の紀行文で、これならと思い、その本は3分の1ほどで一旦やめて、あらためて「日本紀行」を買ってきて読みました。前半が上に書いた東北から北海道への旅の紀行文で、自分があまり行ったことのないところが多いこともあって、グーグルマップを見ながらとても面白く読みました。

中では、子どもたちを、どこでもとても大事にしてかわいがる日本の人たちについて、彼女がすごく印象的に思っているのが、私にとっては逆にとても印象的でした。あと、まだ開国後そんなに経たないのに、日光や新潟、秋田や函館にもすでに白人たちが何人も来ていたのにも驚きました。

後半は関西での旅行記(神戸から大阪、京都。そして奈良を経て伊勢へ)ですが、建物として彼女にとくに印象的だったのは長谷寺くらいのようで、日本的な詫びさびなどは、ほとんど分からなかったというか、分かろうともしなかったようです。

さて、ここまでの内容でしたら、ここに書こうとまで思わなかったかもしれません。日本紀行を読み終えたあと、また朝鮮紀行に戻ったのですが、上に書いた最初の旅行からソウルに戻ってからの部分でしたが、そこからは突如として紀行文のような枠をはるかに超えるたくさんの物事が起こったのでした。その前半や日本紀行での文章とはまったく違う、歴史的記録と言ってもいいような内容になっていたのです。

日本での彼女は、白人とは言えたんなるイギリス人の旅行者に過ぎなかったと思いますが、朝鮮では、滅びつつある李朝の王族や高級官僚とも深く接しており、ちょうど日清戦争が起こって朝鮮も戦乱の渦中になったりして、なまなましい歴史資料と言ってもいいような内容になっています。

とくに日本人が大きく関わった乙未事変(いつびじへん)については、私自身はまったく知らなかったので、本当に驚きながら読んだ次第です。これについては簡単に書ける問題ではないので、興味があれば上の言葉で検索してみてください。

ただ日本では、このような王族の表立っての暗殺などは歴史上あまりなかったように思います。((でも今思い出しましたが、645年の乙巳の変(いっしのへん)がありましたね。またそういえば鎌倉や室町のときにもいろいろありました。))でもここに書くのはちょっと不都合かもしれませんし、わたし自身はあまり読んだり見たこともないのですが、韓流のドラマが頭をよぎったりしました。

長くなりました。今日はこの辺で

2021年末 その1

かなりというか本当に久しぶりに書きます。実は一度書こうと思ったことがあったのですが、急ぎの仕事が入ってきて、ついそのままになってしまったのでした。その時に一緒に上げようと撮っていた写真がありましたのでにぎやかしに、遅ればせながらで恐縮ですが、アップしておきます。11月22日に事務所の窓から撮ったものですが、今年のこの桜の紅葉は、いつになく美しいと思いました。
前の桜2021秋

あと、この年末にほぼ出来上がった仕事の写真を上げておきます。建物の名前は「真田山・浬<Kairi>」と言いますが、小規模の賃貸住宅です。地上5階建てでも3戸しか入りませんが、それぞれに大きくて、全てが、多分賃貸では珍しいメゾネット型(2階建て)の住宅です。すぐ下の写真は正面玄関入口部分のアップで、道幅が狭くて全貌がうまく入らず、最後のもう一枚は別の道路側の写真ですが、こちらも3階までしか入りませんでした。施工は、コンクリートの打放しでは多分日本でもトップと言われるまこと建設です。
真田山・浬-1

真田山・浬-2
今日はこの辺で