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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

2022年末 その3

さていよいよ今年も最後の最後になりました。音楽のことも毎年書いていますが、今年はあまり書こうと思えるようなことは少なかったようです。事務所で聴くことが減って、自宅で聴いたりしたものの、少し耳が遠くなったようで、家人に迷惑がらたりして、CDをかける機会も少なくなり、今年はコンサートにも行きませんでした(まあその代わりに、近くに舞台のある能や文楽には何回か行きました)。

音楽で唯一書こうと思ったのは、モーツァルトの「フィガロの結婚」のこと。今回買ったCDは、昔レコードで聴いていたのとは違いますが、多分同じベーム指揮のベルリン。久しぶりに聴いてとてもよくて、蝶々の歌だっかアリアの一節が、イタリア語など知らないのに口に出てきてびっくりしました。

あとは今月になって、来年の春に大阪の4オーケストラのコンサートが大きく新聞広告出て、毎年やっているそうですが、来年はブラームスの4つの交響曲をやるというので、すぐにチケットを買いました。

実は以前ここにかきましたが、一昨年にブラームスの1番の交響曲をフェスティバルホールで聴いて非常に感動したことがありました。これは昔、大学を出て東京のレーモンド事務所に入ったときに深くお世話になった竹下さん(もう数年前に亡くなられましたが)が大好きな作曲家で、当時は私はあまり好きになれず、いつかはいいと思えるようなときが来るんだろうかと思ったりしていましたので、一昨年のコンサートを聴いて感動したことで、自分なりにはかなりの感慨があったのです。それからCDを買ったりもしましたが、4番はまだ聴く機会がなくて、来年のコンサートの広告を見て飛びついた次第です。まだ少し先ですが期待したいと思います。

さて今年の総括?はこれくらいにしたいと思います。

来年はコロナや戦争も明けて
久しぶりに晴れやかですばらしい一年となりますように


そしてまた、みなさまもどうかよいお年をお迎えください

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2022年末 その2

昨日の続きで今年の読書について。

まずは去年の続きのような感じで、やはり明治の初めごろに日本にやって来た外人の本を見つけて読んだのが、エドワード・S・モースの「日本その日その日」。これもなかなか面白く読みましたが、去年のイザベル・バードさんは女性でイギリス人の旅行家。モースはアメリカ人の男性で考古学者。大森貝塚の発見者としても有名です。

男と女や仕事の違いはともかく、当時のイギリス人とアメリカ人の違いや日本に対する見方について、それぞれが鮮やかで、それらを比較しながら考えてみるだけでもとても面白く、今回は一気に読みました。

初めて来たのはモースの方が先で、明治10年。イザベルさんはその翌年でした。同じように最初に日光へ行き、あとで北海道のアイヌの部落も訪れています。北海道行きは、もしかするとほぼ同時期だったかもしれませんが、イザベルさんの雰囲気からすると、そうだとしても同じ白人でもアメリカ人にはわざわざ会おうとまではしなかったように思います。(**つづき)

さてそのモースの本を読んでから、彼によるもので私の仕事にも関係する「日本人の住まい」という本もあったので読もうと思いました。ただ訳者が異なる二種の本があって、迷いましたが比較的最近のものを買うことにしました。でもその訳者は建築のことはそれほど知らないようで、私としては少し読みにくくて、途中でおいてしまいました。図書館でそれ以前の1981年に出た本を借りてきて半分ほど読みましたが、これは私の大学時代の先生でもある上田篤先生たちの手になるもので、やはり読みやすくてこちらを買えばよかったとあとで思った次第です。

さてここまでは去年の続きでしたが、実は今年の読書で本当に書こうと思ったものは別にあって、次の本でした。宮部みゆきさんの「孤宿の人」。私は宮部さんの時代劇が好きで、以前から図書館にあればよく借りてきて読んでいます。夏頃でしたか、これも時代劇だと分かって借りて来ました。

まあ私にとっては軽い読み物のつもりでしたが、単行本で上下二冊組ですので、そんなに短くはないのですが、読み進むうちに、これは彼女の本ではいつものことですが、強く引き込まれてしまい、一気に最後まで読んでしまいました。

宮部さんの筆力のすごさは知っていますので、それだけならいつもの通りのはずでした。ところが最後のエピローグの部分になって、自分でも不思議に感じたほどですが、なぜか一気に涙腺が崩壊してしまいました。これはなぜかよく分からず、自分なりにもちょっと恥ずかしいと思えるような出来事でした。まあその理由などはうまく書けませんが、ざっとでも考えて思うのは、おおげさすぎるかもしれませんが、人間は生きて死ぬという、その当たり前の人生とは、つまりはこういうことなんだと、どこか腑に落ちるようなところがあったからだと思います。小説全体としては、ちょっとおおざっぱすぎると思えるようなところもありましたが、物語の一番最後に、「宝」が丘の上の「おあんさん」の墓に向かって走っていくときの文章や、その背景としてのはるかな瀬戸内海や街並みの景色は、心に深く刻まれました。

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2022年末 その1

今年ももう数日で終わることになりました。いつものように今年の総括など書いておきます。

今年印象に残るものとしての一番は、残念ですがやはりロシアのプーチンが始めた戦争のことだと思います。それが終わったら書こうとここに書いたことがあったので、結局あまりここには書けないままで、かなり残念な年にはなってしまいました。来年は納まってくれるように祈りますが、まあ嫌なことはそれだけにしましょう。

秋以降、スポーツでは自分にとってもすばらしいと思える出来事がいくつもありました。まずはプロ野球で、オリックスの日本一。自分は一応阪神ファン?なので、普段はあまりパリーグの試合は見ていなかったのですが、最終日の試合で勝ったあと、ほぼ同時にあったソフトバンクが負けたことで決まるというかなり劇的な逆転優勝の瞬間(ソフトバンクの敗戦)を、たまたま近くのデパートの家電売り場のテレビで見ることができました。あたりにおこった小さな歓声や拍手の音、なかなか感動的な瞬間でした。

そしてそれに続く、あのヤクルトとの日本シリーズ。去年も同じ相手で負けているので、2連敗したときには今年もやはりだめかと思いましたが、そこから劇的にひっくり返しました。今年はヤクルトの村上選手の三冠王もすばらしいとは思いますが、阪神戦ではかなり痛いところでやられましたので、私にとってはそれをはるかに超えた、胸がすくようなすばらしい日本シリーズでした。

さらには、11月末からのサッカーのワールドカップ。スペインとドイツと同組になったときには、まさか日本が一番で本選に残るとは、だれが予想したでしょうか。終わってみての感想は、本当に日本も強くなったんだなと多少実感できた次第です。

そして先週、その最後を締めた決勝戦でのアルゼンチンの勝利。まあその試合は最後まであれよあれよと見ているままにフランスを破り、ついに何とかメッシが勝利のカップを揚げました。まあ結局PK戦までもつれこんでの本当に劇的な勝利で、アルゼンチンでの国民の狂喜は、はたから見てもほほえましいという以上に、本当にうらやましいようなものでした。あれだけ国民にすごい喜びを与えられるということで、スポーツのすばらしさを改めて教えてもらった世界戦でした。