FC2ブログ

松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

「外断熱」セミナー

昨日「『外断熱』セミナー」という催しがあって行ってきた。場所は中ノ島の「グランキューブ大阪」。ロイヤルホテルの隣で、JRの福島駅から歩くと、川の手前に以前勤めていた美建.設計事務所の入っているビルがあり、久しぶりになつかしい道を歩いてきた。

セミナーは、まあ政府の肝いりというんだろうか、京都議定書の期限も迫り省エネにやっきになっている国交省の活動の一環なのだろう。内容は、専門カ向けということで出向いたのだが、住宅産業の事業者向けに啓蒙を計るというようなもので、もっと技術的な話しを期待していたわたしには少々期待はずれだった。全体で三時間半ほどだったが、まあ内容が盛りだくさんすぎて、それぞれ詳細まで踏み込む前に時間がきてしまうというようなものばかりだったということもある。

ただ「外断熱」という言葉がタイトルに使われているが、セミナーの中ではそれ一語だけではじめから「高気密・高断熱」とセットになっているようで、わざわざカッコに入れてあるのはそういう意味かと途中でようやく気がついた。京都工繊大の設備の先生の話では、断熱材を外に貼っても内側にもうけても熱の収支は同じということで、まあ考えてみれば当たり前かもしれないが、話しは軽くそれにふれただけで、すぐ違う話題に移ってしまった。「外断熱」という言葉は、今では主にコンクリート造の建物について言われることになっているので、熱容量の大きいコンクリート躯体が内側にあるのと外側に露出するのとでは、時間的な熱の挙動においてかなり違いが出ると思うのだが、そのあたりのことまでは、ほとんど聞くことはできなかった。

後半は「外断熱」の建物(主にマンション)の快適性についての啓蒙が主題になってしまい、これは外断熱に加えて高気密・高断熱がセットになってはじめて実現されるようなものだろうが、「外断熱」という言葉だけでそれらが全て前提されているようなことになっていて、最初のうちかなり違和感を覚えた。ましてや省エネのこととなれば、外断熱はあまり関係なくて、ほぼ高気密・高断熱だけですむ話しではないのかしらと思った次第。

ただ中国が省エネをうたい文句に「外断熱」の建物に力をいれていて、年間700万m2ほども作っているというにのは驚かされたし、最初にあった基調講演は京都議定書や環境問題について概観の紹介だったが、そこでとりあげられた「気候変動に関する国連の政府間パネル(IPCC)」の第3次報告書の数値について、少し古いですがもうすぐ年末くらいまでには次のものが出る予定ですと話されていたら、帰宅して夕刊を読むと第4次報告書が出たという記事が載っていて、あまりにタイミングがよすぎてこれには本当に驚いた。
スポンサーサイト

  コメント


管理者にだけコメントを閲覧させることができます
 

外断熱について

 松田さん私のブログに来ていただき、ありがとう。ご家族はかわりありませんか?
 外断熱について書いてありましので、私なりの見解をのべたいと思います。確かに「外断熱」は「高気密」とペアにして考えられている風潮があるようです。住宅の内部の「気密性」を高くして、外部の環境と切り離し、外からの影響を最小限にする考え方になっていると思います。建売のメ-カ-が盛んにうたっている文言のような気がします。
 沖縄の風土を考えてみますと、部屋を閉め切って、密閉することが人間の体に良いとは思えません。通風を良くし、常に空気を入れ替える方が沖縄にあっているかと思われます。なるべく空調機など使わずに住める方が、省エネにもなるし、温暖化対策にいいのではないかと思います。冬は暖かい太陽をあび、その熱を逃がさないよう窓を閉め、夏は入ってきた熱を東西南北に設けた窓から排出する。それが一番いいのではないのでしょうか?沖縄にも「高気密」「高断熱」とうたった建売のメ-カ-が内地から入り込んでいますが、沖縄には合わない気がします。環境の厳しい都会はいいかもしれませんが。ですから「高気密」にしなければなりたたない「外断熱」には疑問が残るのです。私の拙い考えを書いてしまいました。ではまた。

オサ虫 | URL | 2007年02月04日(Sun)19:08 [EDIT]


ご意見ありがとう。わたしもとりあえず思いついた意見だけ書いておきしょう。
沖縄では高気密・高断熱がどうなのか、わたしもいまのところよく分かりません。意見を言うにはやはりそこにしばらくでも住んでみないとだめでしょうね。まあ在宅時間が長くて、よっぽどエアコン冷房に頼るような生活をしていないかぎり不要でしょうか。沖縄は、住まいは夏を旨とすべしというのが今でもそのままあてはまる地域かもしれませんね。

高気密・高断熱とセットになった外断熱(RC造)は、住み心地という面では、こちらでは主に冬季の温熱環境の改善が主眼だと思っています。ただし言葉どおりの外断熱だけなら、もちろんコンクリート造の場合ですが、夏季に躯体を蓄熱体にしないという意味で有効ではないかと思ったりします。

松田 | URL | 2007年02月05日(Mon)16:24 [EDIT]


補足

読み直して気がついたことを補足しておきます。
躯体に熱をためないということだけなら、外断熱までしないでも、外皮を作って通気層を設けるだけでも十分ですね。

松田 | URL | 2007年02月05日(Mon)20:14 [EDIT]