FC2ブログ

松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

春の奈良公園2

興福寺五重の塔

写真は興福寺五重の塔。たしか室町時代の再建だったか。日本の寺院建築は、鎌倉時代初期に重源のもたらした天竺様と、禅宗とともに入った唐様を最後に熟成期というか沈潜期に入ってしまっていて、ここも重厚さとは裏腹にどこかどんよりとした鈍さを感じる。ただ、大きさもあるしシチュエーションも抜群。威風あたりを払う感じで、南に階段を降りて猿沢の池ごしに見る姿は、奈良の代名詞のような写真の一つになっている。

興福寺ではもう一つ、これは鎌倉時代の再建だが三重の塔があり、小さいながらも気品があり、たたずまいにも凛としたところがあって昔から好きな塔の一つだ。さっきの五重の塔などとはスケールがまったく異なり、ほとんど家具と言ってもよいような感じの繊細でしかも優美な造りだ。蒸留したすがたの「日本的」とはこういうことかもしれないと、若い昔に、これを眺めながら考えたのを思い出す。

すでに時期が遅く、ほとんどの桜花は終わっていたが、ここにくると枝垂れ桜が満開で、久しぶりの再会を祝ってくれているようだった。
興福寺三重の塔

スポンサーサイト

  コメント


管理者にだけコメントを閲覧させることができます