FC2ブログ

松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

春雨とジンチョウゲ

先日撮ったある住宅の玄関脇のジンチョウゲの写真。もう夕方近くで少し暗かったが、何とか写ってくれた。
ジンチョウゲ2009
小雨が降っていて、玄関前の石畳の花崗岩が濡れて美しい。実は何を隠そうここは私が設計した住宅。自分の住まいの近くなので、たまに前を通るのだが、できたのはもう七年と少し前のこと。だから植栽もその後少し変化はあるが、ほぼ分かる。入口の手前には二本、向こう側に一本のジンチョウゲ。手前の向こう側、中央のジンチョウゲは白花だが、これはとくに指定した記憶もなくよく覚えていない。三本同じではと植木屋さんが気を利かしてくれたのだろうか。向うのジンチョウゲの手前の草はキチジョウソウで、雨に濡れて一段と濃くなった緑色が美しい。奥の草はフイリヤブランで、その向こうにあるのは隣地際に植えたナンテン。

ここはめったに通らないが、近くのいつも通る道筋にも一本ジンチョウゲがあって、一週間くらい前に開花し、毎春のなつかしい香りが漂い、季節のうつろいを教えてくれた。このあたりは古い木造住宅の密集しているところで、道も狭く、道路際でもたいてい日当たりがよくないのだが、ジンチョウゲは元気。健気というか、わたしにとっては頼もしい存在で、仕事でも毎回必ずどこかに植えている。

しかしここのは本当に目を見張るくらい大きくなったと思う。昔、東京で勤めていたレーモンド事務所のビルの玄関脇にも植わっていたのを覚えているが、勤務して数年経ってもそんなに大きくなったような記憶がない。定期的に植木屋さんが手入れし剪定していたのだろう。ここは住宅だし、そんな形での手入れはしていないからかどうか、日当たりが悪いのにもめげず、丸々と、そしてのびのびと大きくなっているのはうれしい。

でもこのところ雨がよく降る。ジンチョウゲの花と春雨のやさしい風情につられて、蕪村の句を思い出したので最後に書いておこう。

春雨や
小磯の小貝
ぬるるほど
スポンサーサイト

  コメント


管理者にだけコメントを閲覧させることができます