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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

学生時代の思い出

さて、前回の続きだが、少し余談。

一般の方だと平面図ならともかく、こういう断面図など見せられても、外形以外はおそらく何のことやらほとんど分からないだろうと思う。私だって学生時代にはそうで、確かまだ大学二回生の夏ごろだったかと思うが、設計演習で古建築の実測断面図の模写という課題があった。建物は銀閣寺の東求堂(とうぐどう)で、今なら最初期の書院建築の代表的な遺構であり、すばらしい建築だと知っているが、大学にも近い銀閣寺だが、東求堂はとくに拝観の対象にもなっておらず、私はその存在さえまったく知らなかった。担当教授も日本建築史の大家である川上貢(みつぐ)先生だったが、氏がどんな学者なのかも。

A1サイズの用紙一杯に描かれた大きな詳細断面図の青焼きを各自渡されて、それを同じ大きさでケント紙にそのまま模写するという単純な内容だったが、そこに書かれている線や四角などの意味がまったく分からないのには、本当に辟易(へきえき)した。少しは理解しようと取り組んだのだろうが、ぐうたらな私はすぐにあきらめてしまい、あとは単なる絵として割り切って、ひたすら書き写していったのを、なぜか今でも非常によく覚えている。やはりそんなことでいいのかという後ろめたさを、心の奥底にずっと感じていたからだろうと思う。

社会へ出たときもそう大きくは変わっておらず、早く詳細図を書かせてもらいたいとは思っていたが、建築詳細図をあつかう専門雑誌「ディテール」を開いても、まだ半分くらいしか図面を理解できなかった記憶が残る。
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