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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

昨日の補足

本の表題に「500年」とあるが、これはかなりの時間だ。14世紀半ばから19世紀半ばくらいだから、日本ではちょうど室町時代と、間に戦国時代をはさんで、平和な江戸時代全部を合わせたくらいの期間になる。だから中の描写が、ある程度大味になるのは仕方がないだろう。不平を言っているのではなくて、一冊という制限で、よくコンパクトにまとめられたなというのが正直な感想だから、賞賛の気分がある。ただし、これは読む方が飲み込むのにたやすいような時間ではないのも確かだ。その間の時間の変遷について、まだあまりよく感じがつかめないが、これもまあしかたがないだろうと思う。

オスマン・トルコと言っても入試で世界史をとらなかったので、読む前にはほとんど知らなかった。ウィーンが陥落寸前まで追い込まれた事件があるが、これは高校の世界史の教科書で、小さな挿画とともに紹介されていたのが記憶に残るが、その相手がオスマン・トルコだったというのを知って、新鮮な感じで驚いたくらいだ。

まあこの本で目からうろこが落ち、非常に面白かった理由の大きな一つは、この本が今まで知っていたようなヨーロッパ側からではなくて、あくまでオスマン・トルコ側から書かれているということだと思う。そこではハプスブルグ家やべネチアが、国際的な外交の舞台に主役級で登場はしてきても単なる端役に過ぎず、オスマン側からの描写でしか出てこない。その内実はまったく暗幕に隠れてほとんど見えないままだ。思えば、高校の世界史の授業で出てきたオスマン・トルコは、まさにそういう存在であったように思う。
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