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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

省エネと住まい-1

たまには仕事に関係ある話しを。書きかけのままの伝統建築については、もう少ししたら再開したいと思っていますが、今回は現代の住まいと省エネについてのことを、自分のメモも兼ねて書いておきたいと思います。

このブログにも以前、世間の突然の変わりように驚いて、感想を少し書いたことがありましたが、数年前から一気に「省エネ」についての話題が喧(かまびす)しくなりました。住宅業界でも大手のハウスメーカーはあっという間に「次世代省エネ基準」を標準にするようになりましたし、最近では鳩山首相の「25%削減」という発言まであって、その背景となる温暖化や地球環境というマクロな話題まで含めると、もはや新聞に関連する記事がのらない日はないと言っても過言ではないでしょう。

だからここ一、二年で人々の意識も大きく変わってきつつあるとは思いますが、やはり近畿地方以西では、それより東や北の地方に比べると、具体的な関心はまだまだ低いようです。とくに関西では、京都や奈良を筆頭に伝統的な建築遺産が数多くあり、住宅においても伝統工法の技術レベルは高い所です。そのために木造では、伝統的な在来工法の住まいが、まだまだ当たり前で、「省エネ」を工法から意識したような住宅はなかなか普及してきません。

これは何よりも「次世代省エネ基準」に代表されるような住宅の造り方が、在来工法のそれとは大幅に違うということが一番の原因ではないかと思います。

今回書きたいのは、自分が住まいの設計をしてきたなかで、それについていろいろと考えてきたことです。実をいうと最近では、住宅の新しい施主には、次世代省エネ型をとりあえず勧めてみることにしていますが、上記のような状勢もあって、たいてい反応は鈍く、やはりコストにも関係するので、オプションから完全にはずれてしまうことも少なくないのが現状です。雑誌などで見たデザインを気に入っていただけた方もいて、機能の面はともかく、環境とか性能とかになると、エアコンまかせで、二の次になりがちということもあります。

ただここで強調しておきたいのは、私自身は地球環境問題についてある程度理解はしていても、「省エネルギー」そのことについては、自分の設計においては、施主からの要望がない限り、無理強いはもちろん、意欲的に推進すべきとも、あまり考えてはいないということです。言い換えれば、それはあくまで建前の世界のことで、国策として推進するのはもちろん賛成ですが、民間レベルの、それも住宅の設計では、選択の順位は低くて当然だろうと考えています。

では、どうして次世代省エネ型の住宅を勧めてみるのかという疑問を持たれるかもしれません。まあ、それが今回書いてみようと思った一番大きな理由です。一言で言うと、省エネ型の住宅は、「省エネルギー」とは全く別の利点や特色、展望を持っていると考えているからということになりますが、詳しくは次回から。
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