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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

姉歯建築士-2

前に書いた続きだが、そういうはっきりした分業があるのに「建築士制度」はそれを一応無視した資格になっている。これは「建築家Architect」というある種全能の人間を理想とするような西洋の思想を下敷きにしていることもあるだろうし、日本でも昔の大工の棟梁はそれに近いような役割を果たしていたことがある。

ただ、これだけ技術的に進歩し、工業生産による部分が増してくると、設計の分業化も当然の流れだし、各専門家にはますますその場所を掘り下げた深い知識が要求されてくる。そういう現実と制度の間の矛盾が今回の騒ぎの一因でもあると思う。

まあ、姉歯氏の構造設計について言えば、コンピューターによるようになってから、われわれ意匠系の人間にとってはあまり書類をまじめに読む気がしなくなったというのは確かだ。ただそれ以前の手計算の時代でも、それをチェックするというような目で見たことはなかったと思う。

確かに構造設計は技術的な支えをお願いしている下請のような立場ではあるが、お互いにプロとしてのプライドも高く、気持ちとしては共同設計者ないしは設計組織のナンバー2というような処遇で、人間だから間違いはあるとしても、深い信頼関係の上にこそ成り立つ共同作業であるのは確かなのだ。・・・続く
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