FC2ブログ

松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

交響詩「我が祖国」

昨夜は久しぶりにコンサートに行ってきた。シンフォニーホールでの大フィルの第452回定期演奏会。曲目は表題の通り。作曲者のスメタナはチェコ人で、祖国では国民音楽の祖とたたえられている。日本だとちょうど明治維新のころの人だそうだ。

実は私が大学を出て最初に就職したのは、東京のレーモンド設計事務所というところだったが、その開設者の建築家アントニン・レーモンドは、当時すでに亡くなっていたが、出身はチェコの人だった。だからこの曲は、有名な第二曲の「モルダウ」の調べをはじめとして、当時耳にする機会がよくあったと思う。ただ自分としては、モルダウの旋律のほかは、あまりよく分からず、レコードを買おうと思ったこともなかった。だから今回この一曲(?六つからなる組曲)だけで全部を占めるコンサートと知ったときはちょっと興奮した。

指揮はやはりチェコ人のラドミル・エリシュカさん。1931年生まれというから今年でちょうど80歳。高齢だしどんな指揮ぶりかと思ったが、まったくかくしゃくとしてお元気で、精妙であると同時に、力感あふれる本当にすばらしい演奏会だった。うがちすぎの見方かもしれないが、愛国心と言おうか、この曲を遠い日本で指揮できるという喜びと誇りが迫力になって身体一杯にみなぎり、大フィルを自在にそして存分にあやつっているような感じだった。

ということで、躍動感あふれる指揮ぶりと演奏に、耳と目は吸いつけられ、自分としては初めてしっかりと全曲を聴きとおすことができたのだが(それだけでも喜びだった)それとは裏腹に、演奏は別として曲自体の感想を書くと、残念ながらやはりあまりよく分からないというのが正直なところだった。

もう少し書くと、曲の展開があまりにとりとめないというか、音楽だけでは完結していないもののように思った。例えば映画のBGMのように、別の映像やイメージあるいは文学のようなものと組み合わさって初めて十全に理解できるようなものなのではないかと聴きながら考えたりしていた。

でも昨夜の力強い演奏は、そんなこまっしゃくれた感想など、一瞬頭をよぎっても、すぐにどこかに吹き飛ばしてくれた。チェコの民謡の調べも含んだおびただしい音符の連なりにのって、本当にさまざまの景色の中を、ときには隘路やきつい斜面もある散歩道をひたすらつたい、行ったこともない彼の国の深い森の中や、広々とした平野のまっただ中を、ずっと歩き通してきた感じがする。そして終わった後にはすがすがしい気分の残る、とてもすてきであざやかな演奏会だった。
スポンサーサイト



  コメント


管理者にだけコメントを閲覧させることができます
 

モルダウ

昨年、娘が学内の合唱コンクールで指揮をして、一位になった曲が、モルダウでした。実は、私が中三の合唱コンクールで歌ったのもモルダウで、これもまた一位でした。あの時、ピアノの伴奏をした水泳部の昌世さんはどうしてるかな…
ごめん、思い切り話を落としてしまいました。

新平 | URL | 2011年10月10日(Mon)23:46 [EDIT]


久しぶり

第二曲だけで演奏されることも多いようだが、あのモルダウのメロディは、アジア人の心にしみる。自分なりの思い込みだが、スラブのメロディといっていいと思う。スラブ人はモンゴロイドと双璧のアジア人の代表だ。どこか物悲しくて、それでいて騎馬民族の故郷である大平原のはるかな響きがある。
いろんな人が編曲もしているようだから、どんな曲として演奏したのか分からないが、君の話しを聞いて、日本人にとってそんなに身近な曲だとは思わなかったのでちょっと驚いた次第。水泳部の人の心にも、そのときのことはきっと刻まれているだろう。でもあの娘さんが指揮者ですか。さぞ元気一杯の合唱だったろうね。

松田 | URL | 2011年10月11日(Tue)20:37 [EDIT]


あの娘は、高校一年生になりました。
「松田さんと鴨川の中を歩いていただいた」当時そのままのキャラで、生命力に満ちております。親としてもうらやましい。
昨日からカザフスタンに来ています。
ボロディンのイーゴリー公に、有名なダッタン人の踊り(JRの宣伝で「奈良に行こう」ってやつです)があります。
前回こちらに来た時の宴会で、歌姫が登場しました。その彼女が、この曲のイメージにピッタリで、以来この土地は、あのメロディーに取り仕切られてしまった感があります。
わたしにはそんな癖があって、もしチェコに行ったとしたら、ずっとモルダウが流れていると思う。
ちなみに、
アメリカ:ラプソテーインブルー
イギリス:GOD SAVE THE QUEEN
フランス:パリの橋の下
ロシア:ラフマニノフ3番
ブラジル:イパネマの娘
京都:ホルスト惑星 と 春咲小紅
これで、その土地のイメージが決まってしまうので不思議です。


新平 | URL | 2011年10月15日(Sat)16:03 [EDIT]


国の曲

今週はちょっとバタバタしていて、コメントに気づきませんでした。またカザフスタンですか。仕事のことも含めてよい旅でありますよう。
さて、最近は記憶力の代わりに老人力が活性化してきたようで、訳の分からないことになるかもしれないが、音楽のことを書いてみます。あげてくれた各国の音楽は、人によって違うのがあたりまえだが、違うと思うところも多い。

まずアメリカの選択は「シブい」が、どことなくいいとこ取りの感じもあるので、私ならあえて選ぶとすれば年代的な制約もあるかもしれないが、素直にバカラックとシナトラをとりたいと思う。シナトラなら「マイ・ウエイ」だがバカラックは曲の名前が出てこない。夢多き時代のなつかしい思い出・・・? シボレーやヴュイックとか言うような車の名前が一緒に頭に浮かんでくる。

あとはフランスの場合、日本語の名前で覚えていないが、「橋の下」ではなくてフランス語で「セーヌの青い空の下で」という歌詞の入った曲。同じ曲ではないよね?

ロシアは有名な民謡でボルガの舟歌だったっけ「エイウフ・ニェーム!」という歌詞の繰り返される、暗いが力強い曲を揚げたい。

京都は君の個人的な歴史があまりに濃厚で、コメントできないな。自分ならと考えるが、もろに個人史になってしまい、井上陽水や荒井由美をあげようか。まあこれでは京都そのものとは関係なくなってしまうが。他にあげられないのは、未だに近すぎるせいかもしれないと思う。

松田 | URL | 2011年10月21日(Fri)21:05 [EDIT]


国の歌

昼の12:30に成田着、14:30にテニスコートに行ってひと汗ながし、夕食後、今、赤ワインをちびりやってます。

ごめんなさい、「パリの空の下~セーヌは流れる」でした。だから、同じ曲だとおもう。
橋の下は、「出町柳の橋の下で大学時代フルートを吹いていた」の間違いでした。いまは、「自宅近くの花見川の橋の下で尺八を吹いている」です。

シナトラは、「Strangers in the Nnight」が好きで、カラオケに行く機会があれば、必ず歌います。バカラックは、「雨にぬれても」ですか?「Close To You」は、今度尺八で吹いたやつを録音しますよ。

ボルガの舟歌は、そう言えば高校の合唱コンクールで歌いました。この歌も重いですね。でも、冬に行ったモスクワは薄暗く、まさにこんな感じでした。

新平 | URL | 2011年10月22日(Sat)22:19 [EDIT]