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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

大安寺の紅葉と黄葉2011

大安寺の紅葉2011
今日行って来た奈良市内にある大安寺というお寺のモミジ。ただこの左手にも一本あるが、ここのイチョウの黄葉は毎年感嘆するくらいすばらしい。でも最近では少しずつ手が入ってモミジも増えてきた。この木のような少し暗い赤色のものが多いが、もちろん意図的なものだろう。私自身はこの色の紅葉は、以前あまり好きではなかったが、ここのを見て目からうろこが落ちるような思いをし、いっぺんに見直した覚えがある。やはりその場所の個性によって同じものでも見え方や雰囲気が大きく違ってくる。

大安寺の黄葉2011
これは二年ほど前にも写真をここに揚げたことのあるイチョウの木。境内でもっとも大きなイチョウで、この季節になると毎年、あたりを払うような見事な雄姿に鮮やかに変身し、見るものをほれぼれとさせる。今落葉が最盛期のようで、地面はほぼ一面黄色いイチョウの絨毯(じゅうたん)になっているが、砂利の見えるようにきちんと道がつけられている。リンクした二年前の写真のは、ずっと落葉が少なく、あたかも水たまりのようにそれがまとめられて、すてきな景色を作っていた。何ともあざやかで瑞々しい黄色の水たまりだ。もちろん意図的に掃き集められたものだろう。

ただこの写真は、イチョウの黄葉ではなく、奥に見えるモミジの紅葉がすばらしくて撮ったのだった。やはり写真は難しい。でも二年前の写真を見ても、ここにこんなモミジはなかったように思う。今年植えられたのかもしれないが、そうだとすれば見事に景色が決まっていて、大きさや枝ぶりまでかなり吟味した上で慎重に植えられたものだろう。

自分も大学で「緑と空間デザイン」というテーマで教えているくらいだから、庭や造園のデザインには多少の一家言はあるつもりだが、残念ながら今までこういう仕事をしたことはない。まあ住宅の植栽が主だから、予算もあってなかなかその後のことまでは口を出す機会もないし、住む人の意識にまかせるほかないことになる。もとより維持にあまり手間のかからない雑木林の景色を作るというスタンスでやっているからそれでよいのだが、こういう外来者がたくさん来るような境内の植栽ともなれば、ずっと見守る人がいてそれなりに予算もあり、少しずつ少しずつ植えては景色を整えていくようなことができる。こういうのがおそらく造園行為の理想で、うらやましいと思った。京都にあまたある有名な寺院の庭だって、こういう形で長い年月をかけて手をかけ洗練されて、すばらしい日本の景色となってきたのだろうと思った次第。
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