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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

大安寺 護摩堂-2

先日の護摩堂は、総ヒノキ造りで、予算の割にはとても立派な材料が入っていると思う。施工してくれた はい島工務店の はい島棟梁の采配のおかげだが、私は初めてのお付き合いだし、ほぼ宮大工だけの工務店なので、工事監理はもちろん、普通は工務店の仕事範囲に入る工事管理まで含めて、かなり気を使った。
護摩堂内陣

さて同じ木造建築でも、住宅とかではなくこういう御堂とかとなると、ついこの前までは、建築基準法の埒外(らちがい)というようなところがあった。奈良でも有名なお寺があちこちで伽藍復興とかしているが、今の建築基準法の理論では、はるか天平の昔から現に建っているような木造の歴史的建築物に対してほとんど歯が立たず、官民が共同で頭をひねったあげくのエピソードのような裏話しは、いくつも聞いたことがある。中にはほほえましいというか実際笑ってしまうようなものまであったくらいだ。

今回は、最近ようやくそういう伝統木造に対しても有効性が確立されてきた「限界耐力計算」という特殊な方法を使って構造的検討をした。とはいえ構造計算の世界となると仮定と安全率の積み重ねというようなところがあり、また自然素材を主とした木造となると、普遍性に固執した科学(工学)にはもとよりなじみにくいし、何よりこのくらいの規模となると、私としては計算結果などよりも自分の肉体感覚の方を優先したいような気分さえある。とはいえ正面両脇の格子壁(耐震壁)のような新しい手法となると自分でも多少計りかねるところがあるのも確かで、建て方をした大工さんの一人が、「あれをはめたら一気に軸組みが固まったのでびっくりした」というのを聞いたときは正直うれしかった。
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