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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

加太の海 ヒノキの梢

加太の海と友が島
この連休は和歌山県の加太に行ってきた。二泊三日のキャンプ。和歌山市の西にある海際で、大阪府から和歌山県に入ってすぐのところだ。ボーイスカウトのキャンプだが、数年前には、ここの加太港から船で対岸の友が島に渡ってキャンプしたことがあった。そのことはここにも少し書いたが、写真の右手前の島がそう。だから加太は行く前から何となく懐かしい地名だった。写真を撮ったのはキャンプサイトの最高部にある広場だが、サイトとは反対側の景色。残念ながら今回は海に浸かる機会もなかったが、久しぶりに磯の香りと潮の気分にひたってきた。

下の写真は、海ではなくてその反対側の風景。撮ったのはキャンプサイト入口の道を少し登った、展望台と小さな駐車場を兼ねたような場所。初日の夕方にぶらっと見に行って、いくつか印象に残ったので、翌早朝に散歩に行った途中、あらためて撮ってきた写真。

印象に残ったと書いたのは、まず最初は合歓(ネム)の花だった。この写真では分かりにくいが、中央下にほのかに見えている。夏季に山中をハイキングしていると、見かけることはよくあるが、でもこれは意識していないと難しいだろう。たいてい高木で、上の方に咲いているだけだからだ。私は好きなので目にとまるのだろうが、普通の人には山中のこの花はほとんど分からないのではないかと思う。ところが、ここでは野生の高木でいて眼下に見えている。

広葉樹の森

まあそこまでは「ふーん」と思っただけだったが、遠くの山並みを見ていて次に気がついたのが、まったくヒノキやスギの植林の森が見えないということ。こちら側の森も含めて、見えているのは広葉樹主体の原生林のような木々に厚く覆われた山なみ。あたりの山中を少し歩いてみても、よくあるスギやヒノキの画一的な針葉樹の森と暗さは同じでも、最近増えた手入れがされない不健康な雰囲気ではなくて、それぞれにたくましい、うっそうとした大木の常緑広葉樹が主体の森。

まあ関西は、もともとほったらかしだとこうなる地域だ。つまりは温暖で、ふんだんに日光と雨に恵まれた気候だから、生きていくための競争は激しいのだろうが、たたずまいにそれなりに拮抗したバランスがあり、野性的というか旺盛な健康美を感じさせてくれる。

さてもう一つ最後に印象的だと思ったのは、こちら側の森の木だが、合歓より少し向こうに何本か見えているヒノキの頂部。まあ写真に撮ると立体感がとんでしまうのでかなり分かりにくい。撮った場所の床はコンクリートの擁壁で急勾配の山の斜面に張り出したようになっていて、下を見ても地面はまったく見えない。だからあのヒノキがどの位の高さか検討もつかないが、高木と言ってよい部類だとは思う。

ふと気がつくと高木の(はずの)ヒノキの頂部が目の前に見えていて、びっくりしたのだ。ヒノキの森はよく歩くが、下から見上げるだけで、こんな高木の頂上の梢(こずえ)を目にするのは初めて。一瞬、忍者にでもなったような気分だった。しかもその風情がすごくやさしげで、風に揺られてたおやかな感じなのが、すごく印象的だったのだ。ヒノキならこれからまっすぐ上に、まだまだ高くなる、その成長の先端だからだろうか、何とも言えないような初々しさと可憐な風情(ふぜい)があった。
ヒノキのこずえ
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