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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

キャッチャー・イン・ザ・ライ

また最近の読書について

この本は、日本では「ライ麦畑でつかまえて」という名前で有名だ。この題名はずっと覚えていたが、文庫本を買ったものの途中でやめたか、もしかすると買うこともなかったのかもしれない。これは村上春樹氏の訳。氏が訳したというので、そのうち読もうとは思っていて、先週、図書館に行ったときなぜかふと思い出して借りてきた。

他に読んでいる本もあったが、自宅で少しさわりを読んだら、そのまま最後まで読んでしまうことになった。でも、それはこの本がとても面白かったからではない。一気に読んだのでもなく、何となく気になって途中でやめられなくなり、読みかけのはおいて、読んでしまうことにしたのだった。

まあ読後感としては、正直言ってそんなに面白くはなかった。内容は高校生が退学になって寮を出て、自宅のあるニューヨークに戻ってきて数日、家に戻らぬまま街を放浪した時の記憶の断片。それを後に友人か誰かに話しているといった構成。

話しは、緩やかな起伏を繰り返しながら、あくまでも日常的な装いの中で進んでいく。でもよく考えてみるとけっこうショッキングな出来事がちりばめられていて、静かで淡々としているのが不思議な感じさえした。

ここまで書いてきて気がついたのは、きっとものすごく密度の高い時間がそこには流れているんだということ。だからけっこう大変な事件だって、日常的な出来事の一部のように見えてしまうんだろう。

人間の心理状況には常にこういうところがあるようにも思うが、高校生年代くらいの思春期のまっただ中の時間というのはやはり特別で、もはや自分はあまり覚えていないが、どこか圧倒的と言ってもいいような密度と深さを持ち、それが同時に未完成の裸形の感覚にさらされていたんだろうと思う。

でも、読んでいてだんだん気分が暗澹としてきて、どう終わるんだろうと心配したくらいだったが、最後はすばらしかった。やはりそんなに派手な演出はない。彼が家を出ようとして、その前にかわいがっている妹に会っておこうとしたときに、彼女がが自分も荷物を詰めたスーツケースを持ってついて行こうとする。事態の要点だけ書けばそれだけだが、まったく鮮やかな転換とクライマックスだった。淡々としているのも変らずだが、これには何とも救われるような感じがした。なかなかいい結末だったと思う。

追伸
高い評判や村上氏が訳すという本なのに、あまり面白いとも思えなかったので、自分にはあまり文学が分からないからかもしれないと心配になって、WEBで少し調べてみた。世界中で本当にたくさんの人が読んでいて、日本でも村上氏以外に1950、60年代に3つの訳書がある。

で考えたのは、もしかすると英文で読んだらもっと人気の秘密が分かるのかもしれないということだった。英語独特の言い回しや、発音など、また特別の味わいがきっとあるのだろうと思った次第。
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  コメント


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ライ麦畑

私が高校時代に読んだのは、白水社の発行なので、60年代の訳だと思います。
当時は庄司薫が好きで、「赤頭巾」のソースが「ライ麦畑」ではないかという話があったもので、読んでみた次第。若者の必読書みたいな言われ方もしていましたが、あまり面白かった記憶がないです。
確かに、庄司薫の場合も、あの文体が味わえなかったら、面白さが半減するのではないか?もっとも、私の子供たちでさえ、もはやあの文体は「まどろっこしい」ものになってしまった気もしますが。

新平 | URL | 2013年10月22日(Tue)12:29 [EDIT]


書き込みありがとう

いやあ、久しぶり。書き込みありがとう。なつかしい!、何て言うと言いすぎかな。まあ元気そうで何より。現在こちらはどうやら50肩で、しばらく前から左肩に鈍い痛みが断続的に続いていて、なかなかとれない。というかだんだんひどくなってきて、ちょっと辟易しています。おかげで気分まで低調ぎみ。
やっぱり君のようにスポーツとかしていないとだめなんかな。

松田 | URL | 2013年10月22日(Tue)19:34 [EDIT]


50肩?

いやいや、私もテニスをやっていると、いろんなところが順番に故障していきますよ。
ところで、12月8日(日)が尺八の全国コンクールで、例によって、一泊するつもりでおります。
大平も、同じ日です。
去年のように、いかがですか?

新平 | URL | 2013年10月23日(Wed)13:20 [EDIT]


12月

その週末は、一応今のところ空いています。ただ飲むのはやはり日曜日ということなんだろうな。昨年は翌朝、一人で雪の中を出町柳まで歩いて帰ったのを思い出したよ。そっちはのんびり雪見の朝酒でもやってるんだろうなと思うと、ちょっと?悔しかったな。
でも今年もそのあたりでの休暇はなかなか難しそうだが・・・。

松田 | URL | 2013年10月23日(Wed)20:08 [EDIT]


昨年は、大変失礼しました。
おっしゃる通り、我々は、雪見の朝酒をやりました。
申し訳ないですが、今年も日曜日の晩です。

新平 | URL | 2013年10月24日(Thu)15:02 [EDIT]