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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

ローマ人の物語

塩野七生氏の「ローマ人の物語」全巻を買った。書店から発送の連絡があったので宅配便で明日には着くと思うが、文庫版ではあっても全巻まとめてとなると43冊になる。はたしてどんな梱包になっているか興味津々というところ。

実は先週、そのシリーズの最初の二冊である「ローマは一日にしてならず」の上下巻を買って読み出したら、大好きなギリシア史もからんでいるからか本当に滅法面白く、これは!と思い、一気に全部手に入れることにしたのだった。

ということで読むのは明日からとして、では自分が今までに読んだ長編というと何だろうと考えてみた。

最初に頭に浮かんだのはロマン・ロランの「ジャン クリストフ」だったが、調べてみると岩波文庫で4冊だから、各巻とも分厚いもののあまり大したことはない。次に浮かんだのは、「ターザン」で有名なE.R.バローズの「火星シリーズ」。これは中学生のときに近くの古本屋で単行本の「火星のプリンセス」というのを買ってきて読み、滅法面白かったので、それから創元推理文庫で全巻出ているのを調べて知り、夏休み中に夢中で10冊ほどの全部を読み切ったのが、以後自分が本に親しんでいくきっかけともなったのでとてもよく覚えている。

長編作家で名高いトルストイやドストエフスキーのは、とくに後者は濃密で大深度という意味での大作ではあるが、単に量的な長さとして比べればそれほどでもないようだ。

最近のでは、J.R.R.トールキンの「指輪物語」だろうか。ただこの物語の序幕とも言える「ホビットの冒険」を加えても文庫で12冊ほどだ。作家にもっともっと続けてほしいというラブレターがやまなかったそうだが、読後感は確かにそれほど長編を読んだという感じはしなかった。なによりホビットよりもそれほど長い感じもしなかったので、内容が薄いのかなと言えば、ファンの方には怒られるかもしれない。ただその前に読んだアーシュラ・K. ル・グウィンの「ゲド戦記」は、児童文学の範疇をはるかに超えて内容が深く、とてもすばらしかった。でもこれも長さで比べたら大したことはない。

若いころ、海外へ単身赴任する人たちの必携書として、吉川英治氏の諸著作が挙げられていたのはよく覚えている。格好の暇つぶしのような意味だったから作家には失礼としても、私は一冊も氏の本は読んでいないから今調べてみると、「宮本武蔵」にしても上記のものと比べると量的には大したことはないようだ。

だから43巻というと今からわくわくするが、それでもこの年にまでなると、読み切るのにそんなには時間がかからないだろうとも思う。まあそんなことからすれば、自分にとっての正真正銘の最大の長編とはさてどんなものだろうかと、あらためて突き詰めて考えてみると、これはどうやら自分自身の人生に他ならないのかもしれないと、まさに腑に落ちるがごとくに思い知った次第。
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