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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

建築家の倫理:姉歯問題から-11

さて、このあたり調べて書いていないのでいいかげんだが、そういう近代的自我の確立とProfessionの確立とは並行したというかたぶん連動したできごとであったのではないだろうかと思う。

そしてここからは批判覚悟で書くが、Professionとはそういう近代的で独立した個人に対して、何かを「預る」、例えば医師ならば「命」だろうし、弁護士ならば「倫理(あるいは「権利」が正解か)」ということになるかもしれないが、いずれにせよクライアントからすれば「信頼してまかせる」、受けるほうは「預らせていただく」というような、根本をみすえると契約書には言葉で書きようもない、本当に重大な委託の契約が暗黙のうちに存在してしまうような職務なのではないだろうか。そしてまた確かにそういう前提がなければ十分には遂行できないような職務だといってもよいだろう。

どうやらProfessionとして特別に区別される理由はこのあたりにこそあるわけで、これはその責任の重さとなると明らかに人間の背負える範囲をはるかに超えてしまっていると思う。だからProfessionという言葉の意味するのは、それを職務とする者には、神に誓って責任を大きく分担してもらうことで、ようやくその職務に対して自由にふるまえるほどの深く重い責任があり、それに対する十全な理解が必要なのだということではないだろうか。

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何とか多少は結論じみたところへたどりつけたようでほっとしている。正月休みも明けて、今日からはまた仕事に追われる日々に戻るわけで、何とかぎりぎり間に合ったようだ。実はこの最後の部分は昨日ようやく考えついたばかり。それまでは話をどう着地させるか正直かなり気をもんでいたのだった。「細かいところをほじくるだけ」と書いたところで、意外にも大きな魚を釣り上げたのかどうか。資料を積み上げて書いたわけでもなく、走り書きのスケッチとしか言いようがないものだ。とくに最後の方は舌足らずで思いつきの羅列、宿題だらけになってしまった。これからは自分が牛になったつもりで反芻しながら考えていくことにさせてもらい、この問題についてはとりあえずここで一度おきたいと思う。
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