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松田靖弘のブログ

仕事とする建築のことや大学で教えている緑のことなどをはじめ、自分の日常の些細なことまで含めて気が向くままに書いていきます。

満中陰

日曜日に父の満中陰の法要があった。つまりは四十九日ということで、これでもはや忌明けとなる。関西以外の人はあまり知らない言葉のようだが、こういう歴史が刷りこまれて手垢まみれになった言葉の常として音も少し発酵しており「まんちゅいん」と読む(異なる地域もあるかもしれない)。若い頃は耳で聞いてもまったく何のことやら分からず、その漢字表記が状の表書きなどでよく見る満中陰と知ったときには、漢字という表意文字のおかげで意味も何となく少し分かったような気になり、軽い感動があったのを覚えている。

寺は天王寺区の城南寺町というところで、大阪城から南に延びる上町台地の頂部にある。天に近いためでもあるまいが、あたりに高い建物が少ないせいか空がからりと明るい。このあたり一帯は地名の通り本当に寺ばかりの地域で、豊臣秀吉が大阪城を築いたときに市内に散らばっていたお寺を集めたと聞いたことがある。

本堂で法要を済ませてから外へ出て納骨の儀式。久しぶりに晴れあがった空の下でおだやかに読経を聞く。やわらかな風が絶え間なく吹いていて、あおられた線香が燃えていた。
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